韓国のLCC(格安航空会社)で上場しているのは『済州(チェジュ)航空』『ティーウェイ航空』『ジンエアー』『エア釜山』の4社です。
韓国では秋夕の連休もあって感染拡大が確認されています(2021年09月19日には週末過去最大の感染者数「1,910人」を記録)。なかなか収まりませんので、韓国では人の移動を制限し続けています。
そのため、LCCでは旅客が戻らず、2020年からの経営危機が続いています。
2021年09月17日、『ジンエアー』は有償増資の第1次新株発行の株価を「1万7,200ウォン」(約1,600.0円)とし、1,238億ウォン(約115.1億円)を調達すると公表しました。
また同日は『エア釜山』の有償増資の新株公募の申し込み初日だったのですが、釜山だけで325万3,964万株の申し込みを受けました。
『エア釜山』は新株価格「2,030ウォン」(約188.8円)で2,500億ウォン(約232.5億円)を調達することを目指しています。
つまり、両社合わせて有償増資で「3,738億ウォン」(約347.6億円)を調達する予定なのです。
なぜ有償増資に走るのか
有償増資というのは、新株を発行して自己資本を増強することです。新規発行した株式を誰に引き受けてもらうかで、「株主割り当て」「第三者割り当て」「公募」の3つに分かれます。
第三者割当……特定の企業や人に引き受けてもらう
公募……新しく投資家を募集して引き受けてもらう
なぜこれほど有償増資に励んでいるかというと、もちろん現金がないからですが、銀行が容易に融資してくれないという背景もあります。
貸借対照表と損益計算書がとてもお金を追い貸しできるようなものではないからです。また、業績が悪いままなので社債・CPなどの手も使えません(こういうときに格付けが効いてきます)。そのため、広く投資家を募ってお金を集めないといけないわけです。
有償増資で資金を調達しても、旅客が戻り、業績が回復しないと調達した資金で耐えるばかりとなります。韓国のLCCはどこまで我慢できるか、の耐久レース状態なのです。
(吉田ハンチング@dcp)