韓国政府与党『共に民主党』の次期大統領候補は6人いますが、このうち統一候補になる可能性があるのは、李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事と李洛淵(イ・ナギョン)元国務総理の2人にほぼ絞られています。
統一候補を選出するために『共に民主党』では、全国を回る巡回選挙を行っているのですが、秋夕の連休のためいったん小休止。
以下がここまでの巡回選挙での得票率です。
『共に民主党』巡回選挙4回と「第1次スーパーウイーク」の結果(累積得票率)
●李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事:51.44%
●秋美愛(チュ・ミエ)前法務部長官:11.35%
●丁世均(チョン・セギュン)前首相:4.27%
●朴用鎮(パク・ヨンジン)議員:1.25%
●金斗官(キム・ドゥグァン)議員:0.63%
巡回選挙がストップしている分、舌戦が激しくなっています。
というのは、特に負けている李洛淵(イ・ナギョン)さんの側は、ここで李在明(イ・ジェミョン)さんの失点を引き出して次の巡回選挙での票につなげようとしているからです。
舌戦激化!「光州事件の時と同じフェイクニュースだ」
両方とも李さんでややこしいのですが、李元総理、李知事と書き分けます。
李元総理の陣営は、李知事の「城南・大庄洞(テジャンドン)の開発事業疑惑」について指摘しています。
これは、李知事が城南市長時代に行われた大蔵洞の宅地開発において、担当した企業『火天大有(화천대유)』が3年間で数千億の利益を上げたとされる事案。これに李知事が口利きなどで関与していたのではないか、という疑惑です。
すでに前最高裁判事など高位公職経験者が顧問になって企業に参与していたことが分かっています。
なぜ疑惑が持たれているかというと、この開発担当企業は設立されて1週間、なんの実績もないのに開発事業に参加できているからです。誰かが口利きを行わなければこんなことは起こらないと目されるからです。
この疑惑に対して、李知事は「フェイクニュース」として真っ向から否定しています。
また、その否定に際して「5・18光州事件もマスコミは当時暴動と報道したが、真実は民主抗争だった」と、なぜか自身にかけられた疑惑を「光州事件」と比しています。
左派政権が支配する現在の韓国では、光州事件は否定的な発言をすると罪になるほど神聖化されていますが、ことほどさようにこの件に触れるなといいたいのでしょう。
左派政権ですので光州事件を神聖化したい気持ちは分からないでもありませんが、一切の否定的言論を封じるというのはやりすぎですし、天安門事件について言論封殺を行っている中国共産党のやり口を想起させます。
政治に善悪を持ち込む政府・立法府などロクなものではありません。
それはひとまず置くとしても、大統領予備選の行方だけではなく、この疑惑がどのように決着するかにもご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)