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中国「韓国がクアッドに参加するのは許さん」韓国外交部は見事にスルー!

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韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は『クアッド』の作業部会に参加したい旨を表明しましたが(尹さんは大統領候補の頃から表明しています)、これに対して中国からは、当然ながら批判の声が上がっています。

自由主義陣営国の中で最も弱い環、また中国の衛星国であるべきと見ている韓国が、あからさまにアメリカ合衆国サイドに走っていくのを許すわけにはいかないからです。

2023年03月08日、中国外交部の毛寧報道官は、韓国『KBS』記者からの質問に対して以下のように答えています。

毛宁:
关于“四边机制”,中方已经多次表明立场。我们一贯认为,国家间开展合作应当顺应和平与发展的时代潮流,不应搞封闭排他的“小圈子”。希望有关国家能够多做有利于地区国家安全互信、有利于地区和平稳定的事情。

毛寧:
中国はこれまで「クアッド」に対する立場を繰り返し表明してきた。

各国間の協力は平和と発展の時代の流れに沿ったものであるべきであり、閉鎖的で排他的な「小さなサークル」であってはならないと考えてきた。

我々は、関係諸国が地域の安全保障と地域の平和と安定における相互信頼を促進するために、より一層の努力をすることを希望する。

⇒参照・引用元:『中国 外交部』公式サイト「2023年3月8日外交部发言人毛宁主持例行记者会」

「小さなサークル」ときましたが、毛寧報道官のボスである秦剛外交部長官(外務大臣)はもっと激烈な言葉で批判しています。

(前略)
秦剛は「アメリカ合衆国のインド太平洋戦略は、自由と開放を誇るが、実際には人を寄せ付けず、さまざまな閉鎖的で排他的な活動を展開している。

地域の安全を維持すると言いながら、実際には対立を誘発し『アジア太平洋版NATO』を計画している。

地域の繁栄の促進を説いているが、実際にはそのようなことをしようとしている、合衆国は地域の繁栄を促進すると主張しているが、実際は『鎖を切り離し、断ち切る』ことを望んでおり、地域の統合プロセスを損なっている」と述べた。
(後略)

⇒参照・引用元:『中国 外交部』公式サイト「秦刚:任何冷战绝不容在亚洲重演,乌克兰式的危机绝不容在亚洲复制」

「人を寄せ付けず、さまざまな閉鎖的で排他的な活動を展開している」と述べていますが、実際のところ、寄せ付けないのは「中国」です。

「アジア太平洋版NATO」を目指しているというのは全くそのとおりで、「NATOの仮想的がロシア」であるのが自明であるごとく、「アジア太平洋版NATOの仮想的は中国」になります。もちろん中国もそれが分かっているので罵詈雑言を浴びせているのです。

中国が罵詈雑言を浴びせている合衆国のインド太平洋戦略、その一つを担うための「クアッド」。韓国が参加を表明しているのですが、中国側は「韓国のクアッド参加」に対して上掲のとおり牽制球を放っています。

2023年03月09日、中国の牽制に韓国の外交部は以下のように反応しています。外交部が出した定例記者ブリーフィングのプレスリリースから引用します。

<質問>
中国外交部が韓国のクワッド参加を牽制する立場を示しましたが、関連して外交部の立場をお伺いします。
(『メディアペン』のキム・ソンジョン記者)

<回答>
韓国が強みを持つ新興技術、保健、気候変動などの分野でクワッドとの機能的な協力を優先的に推進していくという韓国政府の基本的な立場には変化がありません。

<質問>
似たような質問ですが、具体的に今おっしゃった分野で私たちが積極的に参加する計画があるのか、そして長期的にクワッド協議体への加入も念頭に置いているのか、それに対する回答をお願いします。

そして、先ほどあった質問の延長線上ですが、中国が韓国に向けてクワッドについて非常に批判的な発言を浴びせています。これがあまりにも過度な介入として解釈される余地はないのか、それに対する回答もお願いします。
(『聯合ニュースTV』ハン・サンヨン記者)

<回答>
二つの質問をいただきましたが、中国外交部のスポークスマンの発表については、先ほどの回答に譲ります。

そしてまた、クワッドに関しては、すでに述べたように、クワッド作業部会への参加を加速するために引き続き努力していく予定です。
(後略)

⇒参照・引用元:『韓国 外交部』公式サイト「外交部の説明(3.9)」

韓国政府は、「韓国が強みを持つ新興技術、保健、気候変動などの分野」での協力を促進し、クアッドの作業部会への参加も進めると述べました。

「新興技術、保健、気候変動などの分野」で韓国に強みなどありましたっけ?――という気がしないでもありませんが、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権がクアッドに参加する方向というのは変わらない模様です。

また、中国が「韓国の内政・外交に過度に介入する発言」をしているのではないか?という記者の質問には、外交部報道官はさらっとかわしました。売り言葉に買い言葉でヒートアップしても意味がありませんので当然の対応でしょう。

ただ、韓国政府がより具体的に行動に出た場合には、中国からのしっぺ返しがあるでしょう。そのときに、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権が、朴槿恵(パク・クネ)政権のときのように右往左往しないかどうかは見どころです。

(吉田ハンチング@dcp)

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