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なぜ韓国の人は不動産に投資したがるのか その01

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先の記事韓国の国富の9割が不動産という件をご紹介しました。世界の全ての国の資産について調べたわけではありませんが、韓国のように異常な数値になっている国は恐らく他ににはないと思われます。

問題は「なぜ韓国の人は投資というと不動産に向かうのか」です。これには、少なからず韓国独自の不動産の賃貸借システムが関わっているのではないしょうか。

日本では「礼金」「敷金」という仕組みがありますね。かつては、関東関西ではそのお金を積み方がずいぶん違っているなどしました。現在では、「返金されない礼金って何なんだ!」という借りる側からの非難もあって、礼金などはなくなる傾向にあり、またネットの影響もあって、関東関西での違いもなくなってきています。いずれにしても、不動産の賃貸において、礼金・敷金というシステムは日本独自なものです。

■韓国の「チョンセ」というシステム

さて韓国です。韓国には「チョンセ」という、日本人からすると不思議なシステムがあります。

これは、借り手がその賃貸物件を借りる際に「保証金」を預け、賃貸期間(通常2年間)が終わると、その保証金がそっくり返金される、というシステムです。契約賃貸期間内には家賃を支払う必要はありません。

●「チョンセ」の仕組み
・借り手は、貸し主に「保証金」を預ける
・賃貸期間中は家賃はタダ
・賃貸期間が終わったら、借り手に保証金は返金される

この仕組みですと、貸し主がタダで物件を貸しているように思えますね。しかし、実はカラクリがあって、この保証金がその物件の価格の1/3という高額なもの(もっと上がります/別記事で後述)で、貸し主はそれを受け取って投資に回すのです。

例を見てみましょう。例えば3,000万円のマンション物件があったとします。この部屋をチョンセのシステムで貸し出すとします。

借り手が契約時に支払う保証金は1,000万円にもなりますが、結局これは返金されますのでとにかく調達し、借り主に預けます。貸し主は、この1,000万円を金利が年5%の銀行に入れます。すると複利で2年後には1,102万5,000円となり、「102万5,000円」の利益が付いているのです。ですので、借り手に保証金を戻しても儲かるという仕組みです、

ただし! この計算は2007年までは5%ほどあった韓国の銀行の預金金利を基にした計算です。先進各国の銀行預金利息の低化は韓国にも及んでおり、上記のような計算が成立しなくなってきています。そのため、チョンセではなく、他の国でもポピュラーな月毎に家賃を支払うというシステムが増えています。

韓国の人が不動産投資に向かう背景には、賃貸にすれば投資になるという考えが根強くあるのです。アジア通貨危機の際には、IMFから韓国政府に対して「普通の家賃制度にした方がいいよん」と勧告し、その甲斐もあってか不動産業者もずいぶんシフトしたのですが……。まあ、そんな程度では韓国の人の不動産投資は収まらないのです。

すみません。この項続きます(笑)。

(柏ケミカル@dcp)

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