さあ「残酷な四月」も中盤です。
貿易一本で食べている国である韓国の貿易収支が注目されるのですが、2021年04月20日、韓国の関税庁から「2021年04月01~20日の輸出入動向」のデータが公表されました。
結論からいえば非常にマズイ状況となっています。以下をご覧ください。
2022年04月01~20日
輸出:362億8,500万ドル(+16.9%)
輸入:414億8,400万ドル(+25.5%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-51億9,900万ドル2022年01月01~04月20日累計
輸出:2,092億200万ドル(+17.9%)
輸入:2,183億5,900万ドル(+28.7%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-91億5,700万ドル※( )内は対前年同期比の増減
04月20時点で貿易収支は「-51億9,900万ドル」と赤字です。
先にご紹介したように、04月10日時点で04月の貿易収支は「-35億1,900万ドル」でしたから、11~20日は-16億8,000万ドルだったことになります。
04月01~10日:-35億1,900万ドル
04月11~20日:-16億8,000万ドル
小計:-51億9,900万ドル
月初最初の10日間と比較して月中の10日間は貿易赤字が縮小しています。
まずこの時点で、「当局がエンピツをなめてるんじゃあるまいな」「黒転を目論んでいるのではあるまいな」という疑念が起こらないではありません。
なにせ通関ベースのデータですので。
残りの10日間で04月がどのように締まるのかが問題です。
赤字になった場合、それがいくらで締まるか――です。先にご紹介したとおり、「-50億ドル」以上の赤字で締まった場合、国際収支統計でも赤字になるでしょう。
なぜそんなことが言えるのかというと、通関ベース「-44億ドル」の赤字が国際収支統計で黒転したことがあるからです。さすがに、これ以上は無理です。ですので、筆者は通関ベースで貿易収支-50億ドルだった場合、高確率で国際収支統計でも貿易収支は赤転すると考えます。
国際収支統計で貿易収支が赤字になれば、04月の経常収支は赤転するはずです。
サービス収支が「奇跡の巨額黒字!」なんてことでもない限り――です。あと、当局が経常収支を赤字になしないように誤差脱漏を使って数字を操作することがなければ――です。
もし04月の国際収支統計で、「貿易収支が赤字なのに経常収支は黒字」なんてことになれば、それこそ数字を疑うことになるでしょう。
で、通関ベースの04月の貿易収支がどう締まったのか――は再来週になれば、産業通商資源部から発表されます。読者の皆さまもぜひご注目ください。
(柏ケミカル@dcp)