すでに内乱状態だ――という指摘もある韓国の政局。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領がソウル拘置所から釈放されましたが、いまだに職務停止状態です。
憲法裁判所で弾劾訴追が合憲と判断されたら即罷免、という状態であることは変わりありません。また刑事裁判の方も行われています。
尹大統領の弾劾については判断は「先送り」か
最初は早ければ2025年03月11日、これまでの例からいけば14日には憲法裁判所の判断が出るのでは――といわれたのですが、「どうも来週になりそうだ」と予想が変わってきました。
尹大統領が釈放されたことで、憲法裁判所も慎重になっている模様です。
左派・進歩系の皆さんは朴槿恵(パク・クネ)大統領のときのように、スチームローラー式に平押しでいけると思っていたのかもしれませんが、自分たちの悪事が国民にチョンバレし、弾劾反対の声が大きくなっているのに怯んだようです。
うっかり尹大統領を罷免するという判断を下した後で、形勢が完全に逆転などしたら、弾劾を押し進めた憲法裁判所の判事は確実に吊るされることになるでしょう。
保身も考えたら慎重にならざるを得ません。もっとも、こんなことを考えている時点で法治国家ではないわけですが。こういうのこそ「雰囲気司法」の表れです。
警察が肉弾戦に備えてアップを始めた
憲法裁判所はいつまでも引き伸ばしはできませんので、決断をしなければなりません。
「尹大統領は罷免だ」という判断をしても、しなくても、どちらになっても保守寄り、左派・進歩系のどちらかは激昂することは間違いなく、憲法裁判所は肉弾相撃つ修羅場になる可能性があります。
韓国メディア『ヘラルド経済』によると、警察庁は憲法裁判所の弾劾判決当日に「弾劾が認められた場合」と「棄却された場合」の両方を想定し、警備計画について憲法裁判所と内部協議を行った――とのこと。
また「特に警察は、憲法裁判所と共に突発的な不測の事態に備えるための緊急対策を講じるとともに、判事への危害行為を防ぐための警護任務の手順を策定し、独自の訓練を実施したことが確認された」と書いています。
警察庁は、判決当日に「どつき合い」が生じることを想定してアップを始めたわけです。
面白いのは――2025年02月、あるオンラインコミュニティーに憲法裁判所とみられる建物の内部図面が投稿された――という点です。
この投稿された図面には、裁判所の敷地や各階の平面図が含まれていた、とも。
弾劾判決時にアップを始めているのは、警察庁だけではない――と思われます。
先にご紹介したとおり、ソウル西部地方裁判所は怒りの市民に侵入されて大損害を受けました。
警察庁としてはこれの二の舞いはごめんでしょう。しかし、起きるときは起きます。

(吉田ハンチング@dcp)