こういうとき韓国企業は素早いです。
『サムスン電子』がネットワーク事業部の人員を大量に整理する――という報道が出ました。このネットワーク事業部というのは、『サムスン電子』の中でこの次世代の6G通信を担当するユニットです。
『Chosun Biz』が報じていますので、同記事から一部を引用してみます。
(前略)
『サムスン電子』ネットワーク事業部は10日、役職員説明会を開き、キム・ウジュン事業部長(社長)が事業再編と経費削減を含む競争力強化案を発表した。まず、経費節約のために役員出張時にビジネスの代わりにエコノミー席を利用するようにし、宿舎も平社員と同じ等級で利用することにした。
昨年末基準で『サムスン電子』ネットワーク事業部の役員数は37人だ。
これまで事業拡大のために無線事業部や映像ディスプレー事業部から派遣された従業員もいるが、希望する人に限り、原隊復帰をさせる案が含まれる見通しだ。
また、事業構造も既存の成長中心から収益性中心に再編することにした。
(後略)⇒参照・引用元:『Chosun Biz』「[独占]『役員出張もエコノミー、平社員級宿舎へ』サムスン電子ネットワーク事業部緊縮突入」
役員だろうがエコノミー席を利用し、ホテルの等級も平社員と同じだ――というのは面白いかもしれませんが、この程度なら緩いフローズン・オペレーションです。そもそもなぜ役員がぞろぞろ37人もいるでしょうか。
通信ネットワーク関連の事業を縮小しようというのは、しかし特に『サムスン電子』だけではありません。
スウェーデン『エリクソン』は、2024年に世界規模で8,500人を削減する計画です。03月にはすでにスウェーデン本社で1,200人を解雇、04月には中国研究施設職員240人を解雇しました。
フィンランド『ノキア』も、全社員8万6,000人のうち1万4,000人を2026年まで整理するとしています。
5Gの投資がほとんど終わって追加の需要が伸びていないので、どこも人員整理に乗り出しているのです。『サムスン電子』も世界の流れに乗った動きと見られます。
ただ、この不景気の中(韓国は大変に不景気です)、解雇される人はお気の毒というほかありません。
(吉田ハンチング@dcp)