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中国は韓国との「通貨スワップ」をどのように評価したか

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中国韓国との「通貨スワップ協定」(一応韓国での表記に合わせ、「 」でくくります)をどう評価しているのか、という話です。

中国からすれば、通貨危機時にウォンなど入手できてもほとんど無意味なはずで、この契約は「韓国を支援するためのもの」といってもいいからです。

2017年10月10日に延長された(とされる)、中国・韓国の「通貨スワップ」についてぐずぐずと態度を決めなかったのは「韓国」に言うことを聞かせるためだと推測されています。当時はミサイル防衛のための「THAAD」配備についてもめていましたので。

そのため、例えば当時の『産経ニュース』では「中国側が貸しを作ったかたち」という文言を記事タイトルに入れています。

この問題について中国は音無しの構えを貫いているため、中国が韓国との「通貨スワップ」についてどのように評価しているのか、その公的な反応は不明です。

しかし、2008年までさかのぼると、『中国人民銀行』が韓中「通貨スワップ」についての評価した記事が「中国政府ポータル」に残っています。

中国は

2008年12月12日、『中国人民銀行』は以下のように記者からの質問に回答しています。

1、请问中韩本币互换具有怎样的意义与作用?

中韓通貨スワップの意義と機能とは?

答:中国和韩国签署双边本币互换协议的意义在于体现双方加强合作、共同应对危机的意愿,并以此增强市场信心、促进地区金融稳定。签署互换协议意味着双方承诺一定的互换额度,在危机深化的特定情况下随时启动。具体而言,两国通过本币互换可相互提供短期流动性支持,为本国商业银行在对方分支机构提供融资便利,并可促进双边贸易发展。

回答:中韓二国間の通貨スワップ協定締結の意義は、双方が協力を強化し、危機に共同で対応する意思を示すことで、市場の信頼性を高め、地域金融の安定を促進することにあります。

スワップ契約の締結は双方が一定のスワップ額を約束したことを意味し、危機が深まった場合には、一定の状況下でいつでも発動することができます。

具体的には、現地通貨スワップにより、両国が相互に短期的な流動性支援を行い、相手国の商業銀行の支店への融資を容易にし、二国間貿易の発展を促進することが可能となります。

⇒参照・引用元:『中国政府ポータル』「人民银行有关负责人就中韩本币互换事宜答记者问」

赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)

質問と回答は以下のように続きます。

2.中韓現地通貨スワップの基本的な状況は?

回答:中韓間で締結される現地通貨スワップ協定は双方向の通貨スワップであり、その規模は1,800億元/38兆ウォン(12月09日の為替レートベース)で、上記の規模の範囲内で、双方が自国通貨を担保に、お互いの通貨相当額を交換することができます

契約期間は3年間で、双方の合意により延長することができます

現在、中国人民銀行は韓国銀行との間で枠組み協定を締結しており、今後、双方が協定の詳細について交渉し、早ければ最終的な協定に署名する予定です。

3.中韓通貨スワップとチェンマイ・イニシアティブの二国間通貨スワップの関係は?

回答:2000 年、10+3はチェンマイ・イニシアティブを採択し、二国間通貨スワップネットワークを構築した。

先日の10+3会合において、我々の指導者は、チェンマイ・イニシアティブの多国間化を含め、様々な形態や柔軟性において、地域の金融・金融協力を積極的に推進することを提案した。

中韓通貨スワップは、チェンマイ・イニシアティブの主旨に沿って、チェンマイ・イニシアティブを補完・両立させ、地域金融協力の内容と形態をさらに充実させることを目的とした、より柔軟かつ容易に開始できる銀行間の金融・金融協力である

4.中国は他のどの国(地域)と二国間の現地通貨スワップ協定を締結するのか?

回答:中韓通貨スワップ協定は、今回の金融危機以降、中国人民銀行と他の中央銀行との間で締結された初めての現地通貨スワップ協定である。

条件が整った場合には、他国(地域)の中央銀行(金融当局)との間で同様の通貨スワップの設定を積極的に検討し、地域的・世界的な金融の安定を維持していく。

5.地域における金融協力の強化について、中国はどのように考えているか。

回答:中国は地域の金融協力に積極的かつ集中的に参加して、可能な限りの努力をしたいと考えている。

地域の金融協力を強化することは、地域の金融安定の維持と経済発展の促進に資するものであり、世界の金融安定にも大きく貢献するものと考えている。

「いい話だなぁ」みたいな回答ですが、少なくとも2008年当時はこのように考えていたことが分かります。

問題は「さて現在はどうだろうか?」という点です。特にアメリカ合衆国との対立が深まっていますので、韓国を自陣営に引き込むためのツールとして考えているかもしれません。

(柏ケミカル@dcp)

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