韓国の企画財政部から2020年の政府決算書が出ました。締まったデータで確認してみると、コロナ禍の中、韓国政府の財政は本当に最悪ともいえるレベルに達したことが分かります。
以下の2014~2020年の財政収支の推移をご覧ください。
青は「統合財政収支」、オレンジは「管理財政収支」です。
統合財政収支というのは、単に政府の収入から支出を引いた収支です。
これに対して、管理財政収支は年金基金などの収支も合算した「収支」です。当然、政府の財政を見るためには管理財政収支を確認しなければなりません。
2019年には、単純な収支の方も「-12兆ウォン」になり、2020年には、
統合財政収支:-71.2兆ウォン(約-7兆円)
管理財政収支:-112.0兆ウォン(約-11兆円)
管理財政収支:-112.0兆ウォン(約-11兆円)
と巨額の赤字に陥りました。ご覧のとおり、2019年の倍の規模です。この「-112.0兆ウォン」は韓国史上最悪の財政赤字です。
どうするんだ、という話なのですが現在のところ解法はないのです。政府は「まだ大丈夫」の一点張りです。
韓国メディア『毎日経済』では、以下のような識者の意見を記事で引いています。
(前略)
ヨン・ミョンベ忠南大教授は「先進国は拡大された財政を数年以内にどのよう減らすという計画を立てているが、我々にはそのような計画がないというのが最大の問題だ」と述べた。
(後略)
現在の文在寅政権はこのまま逃げ切るつもりかもしれませんが、ここから回復するのは容易なことではありません。先が思いやられます。
(吉田ハンチング@dcp)