久しぶりにあの「基幹産業安定基金」の話題が出たのでご紹介しておきます。いくらなんでも支援しないにもほどがないか――という話です。
「基幹産業安定基金」とは?
ご存じの方はこの段落を飛ばしてくださいませ。
「基幹産業安定基金」とは、2020年コロナ禍の不景気の中、文在寅大統領自らが「韓国の7つの基幹産業を救う!そのために40兆ウォン(約3兆9,200億ウォン)のファンドを作る」とぶち上げたものです。
しかし、これが「7つの基幹産業」ではなく、「造船業と航空産業を救う」になり、「航空産業を救う」になって、ついに1ウォンでも出したのかと詰問したくなるほどしぼみました。
企業は資金不足に悩んでいる時期でしたので、お金を貸してもらえるならぜひ!という感じだったのですが、実際に「基幹産業安定基金がお金を出す」と認定された企業は『アシアナ航空』『済州(チェジュ)航空』しかないという状況となりました。
なぜかというと、「基幹産業安定基金」がお金を出すのは「総借入金が5,000億ウォン以上ある企業」「労働者数300人以上の企業」「6カ月は90%以上の従業員を維持しなければならない」という厳しい条件をつけたため、「助けてください」と手を上げる企業がそもそも少なかったからです。
結局、この「基幹産業安定基金」は役立たずでした。筆者などは、本当に40兆ウォンを集めたかどうかも疑問に思っています(個人の感想です)。
「基幹産業安定基金」の支援金わずか6,000億ウォン
で、2021年05月10日、韓国メディア『毎日経済』に「『基幹産業安定基金』支援1.5%止まり…要件緩和すべき」という記事が出たのですが、これによると、
となっています。
筆者の知らないところで資金拠出があったことになります(誠に申し訳ありません)。フロントになっている国策銀行『産業銀行』が出したのではないのかなどと疑えばきりがないのですが、それにしてもこの金額は少なすぎます。
本当に40兆ウォン集めたのなら、6,200億ウォンはわずか「1.6%」に過ぎません。基幹産業を救うなどとぶち上げたくせになんというケチな結果でしょうか。
(柏ケミカル@dcp)