韓国政府が59年ぶりにの第4次補正予算を組むことになりました。予算は「7兆8,000億ウォン」で、自営業者を重点的に支援し、13歳以上への通信費2,000ウォン(約1,800円)の支給も盛り込まれています。
日本でざっくり7,000億円ですが、この7兆8,000億ウォンは全て赤字国債の発行で賄われます。
また国債発行を重ねるわけですので、債券市場の動向が気になるところ。しかし、この発表後も国債の金利は上昇しませんでした。
これは先に『韓国銀行』が「年末まで国債の買い入れを5兆ウォン拡大します」と発表していたためと推測されており、『韓国銀行』ナイスプレー!という評価が韓国メディアに出ています(笑)。
『ソウル経済』の記事から以下に引用します。
(前略)
市場金利が急変動する可能性を見せる中、『韓銀』は先制的に国債買い入れ拡大に乗り出す姿勢を見せ、金利は低下し始めた。(中略)
『韓国銀行』は「最近、新型コロナウイルス感染症(コロナ19)の再拡散で、金融市場の不確実性が大きくなった中、国債発行が拡大されると、債券市場の不均衡と市場金利急変動が発生する可能性がある」と国債買い入れの背景を説明した。
特にこの日、第4次補正発表が予定されていただけに、国債買い入れ計画を発表する日程を調整して国債市場の不安を事前に遮断した、という解釈が出ている。
⇒参照・引用元:『ソウル経済』「韓銀の絶妙な介入…4次補正にも『国債金利』静か」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
つまり、
韓国政府が第4次補正予算のために赤字国債を発行すると発表しても、国債市場で動揺はなかった。
ナイス韓銀!
というわけです。
こういうのを政府と中央銀行の麗しい連携というのでしょう。別の言葉でいうと「出来レース」でしょうか。
同記事の最後に、洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官の以下のような言葉が引かれています。
(前略)
「幸いなことに『韓国銀行』が5兆ウォンの国債を買い入れると発表したので、国債市場の物量負担を大幅に軽減すると考えている」と強調した。
こういう小手先の技でガラをかわし続けるのは難しいのではないでしょうか。なにせ、今度こそ格付け会社が韓国の格付けを下げそうです。韓国のことですから格付け会社と協議(いろんな意味含む)さえすればなんとかなる、などと考えているかもしれませんが。
(吉田ハンチング@dcp)