「お金がないのは首もないも同然」とは真実です。韓国政府は国税収入が対前年比で9兆もショートしており(2024年05月末時点)、しかも支出は増えるばかりですから、資金調達に必死になっても仕方ありません。
2024年07月25日、韓国の企画財政部は08月に「10.5兆ウォン規模の国債発行」「4.0兆ウォン規模の財政証券発行」を行うというプレスリリースを出しました(以下)。
国債(国庫債券)の方は、
2年物:1兆1,000億ウォン
3年物:2兆ウォン
5年物:1兆6,000億ウォン
10年物:2兆ウォン
20年物:4,000億ウォン
30年物:3兆ウォン
50年物:3,000億ウォン
物価債(物価連動国債):1,000億ウォン
小計:10兆5,000億ウォン
が発行予定です。
財政証券というのは、歳入が足らず(収入と支出のタイミングにズレがあるなどで)手元不如意になったときに、短いスパンで返済する、いわば短借用に発行する債券です。「円滑な財政運営のため」となっていますが、要は「お金なくなったんで買ってください。早く返済しますよ」という債券です。
63日物:3兆ウォン
28日物:1兆ウォン
の計4兆ウォン規模を、08月中に4回に分けて発行する予定です。
これで01~07月の国債発行規模は累計「115兆6,221億ウォン」になると予想されます。
問題は――国債発行予定の金額を守れるか、また2024年予算時に計画していた「政府負債」の金額を守れるか――です。
企画財政部が毎月公開している『月刊財政動向』によれば、最新号の2024年05月末時点データでは、政府負債は「1,146.8兆ウォン」になっていました。
2024年末時点での政府負債の予定が「1,163.0兆ウォン」なので、05月時点で「あと16.2兆ウォンしか増やせない状態」に陥りました。帳尻が合うのかどうか、お手並み拝見です。
もっとも、お金が回らないのであれば、これは政府負債が増えようが、どこかから持ってくるしかありません。「そんなスグに飛ぶわけじゃあるまいし」というわけです。
ただ、『IMF』はじめ国際機関(格付け機関も)は、また政府負債を増やし始めやがったな、とマイナス方向で韓国政府を見るでしょう。このような「信用が落ちる」ことの方が恐らく韓国政府にとっては問題です。
(吉田ハンチング@dcp)