『CPTTP』の話題が連続になって申し訳ありませんが、特筆すべき人物が「日本は韓国の『CPTTP』加盟申請に反対できるわけがない」などと述べていますので、取り上げざるを得ません。
あの『WTO』議長選挙で最後の決戦投票に敗北した兪明希(ユ・ミョンヒ)さんです。通商産業資源部の通商交渉本部長だった人物です(下掲)。
●兪明希(ユ・ミョンヒ)(Yoo Myung-hee):韓国
愈さんは現在は経済通商大使となっており、日本が韓国の『CPTTP』加盟申請に立ちはだかってもいずれ折れると考えているようです。
韓国メデャア『ソウル経済』が愈さんにインタビューしていますので、記事から一部を以下に引用します。
(前略)
ただし加盟申請後も越えなければならない山が少なくない。アメリカ合衆国が去った後、『CPTPP』を導いてきた日本が韓国の加入を気に入らないこともあって、登録が容易ではないという懸念が大きい。
「協定への加入に臆する必要はありません。私たちの戦略的価値を携え、堂々と交渉に臨まなければなりません。日本も『CPTPP』をより躍動感のある協定にしたい場合は、当然、私たちを加入させる必要があります」
(中略)
愈大使は、日本を除いた他の加盟国が「両手を広げて韓国の加入を望む状況」を、日本が拒み続けることは容易ではないと予想した。
愈大使は通商交渉本部長在任当時、域内包括的経済連携協定(『RCEP』)の協議で世耕弘成経済産業相と対峙したことを紹介し、「各国が『RCEP』のように多国間貿易協定を締結するために努力するのは国家間のサプライチェーンを安定させるためだが、肝心の日本は輸出規制でサプライチェーンを毀損していると強く指摘した」と回顧した。
愈大使は「議長国として『CPTPP』の能力を高めなければならない日本が政治的問題で韓国の加入に反対するなら、韓国だけでなく、他の加盟国の批判に耐えなければならない」と指摘した。
また、日韓関係の政治的な理由で経済において韓国と距離を置く日本の態度が変わらなければならないと強調した。
(後略)⇒参照・引用元:『ソウル経済』「韓国は『CPTPP』の能力を高める最適のパートナー…堂々と日のかんぬきを外さなければならない」
随分な高所から日本にご託宣を下していますが、日本が『WTO』の議長選挙で、愈さんの反目に回ったことをすっかり忘れていらっしゃるようです。
アメリカ合衆国が愈さんを推していたにもかかわらず、日本は最後まで韓国の愈さんを議長には推しませんでした。
日本はたとえ他の加盟国が全て韓国の加入に賛成したとしても反対を貫くでしょう。むしろ韓国が加入しない方が『CPTPP』はより躍動感のある協定になるからです。
国と国との約束を守らない韓国を加盟させるわけにはいきません。
また、日本が頑強に反対してもそれは日本との約束を守らない韓国のせいであり、自業自得です。
さらに、日本が反対して韓国が加盟できなくても、それを韓国は受け入れなければなりません。
「加盟国全ての賛成がなければ加盟できない」というのが『CPTTP』のルールだからです。
(吉田ハンチング@dcp)