佐藤ボイラー(バカ)の記事が途中ではさまりましたが、「MACD」の続きです。前回は、MACDが短期の指数平滑移動平均(以降は略取であるEMAを使います)と長期のEMAの差から計算されることを説明しましたが、今回はもう1本ラインが登場します。それが「シグナル」です。このシグナル線を併用することで、MACDは売買トレンドを見極めるための有力な指標(INDEX)となっています。
まずおさらいのために、MACDを下に挙げます。これはディーエヌエー(銘柄:2432)のチャートです(『株マップ.com』のクオンツチャートから引用)。
このMACDは「5日のEMA(指数平滑移動平均)」「25日のEMA」から生成されたものです。前回の記事でも紹介しましたが、考案者のアペルさんは「12日のEMA」「26日のEMA」を用いていますが、日本は一般に「5日のEMA」「25日のEMA」が使われます。
ここに「シグナル」と呼ばれるラインを加えます。
この「シグナル」は、「9日間」を期間としたMACDのEMA(指数平滑移動平均)です。株価の変動から計算された「短期のEMA」「長期のEMA」から計算される「MACD」。さらに、そのMACDから短期EMAを計算してラインにするわけです。
※EMAの計算方法は先の記事を参照してください。
株価のテクニカル分析が可能なツールを使っている人は、MACDの項目を選んでみてください。上掲のように「MACD」のラインと「(MACDの)シグナル」のライン、このふたつが表示されますね。
ここで短期のEMAラインの特徴を思い出してください。短期のEMAは株価の変動を敏感にキャッチして先行して動きます。ですから、この二つのラインがクロスする点が売買タイミングの転換点と見ることができるのです。
チャートで確認してみましょう。
上記のように「MACDとシグナルがクロスしている点」は「買い」と「売り」の切り替わりポイントとなっていることが分かります。つまりMACDとシグナルを見ることで売買のタイミングを分かりやすく捉えることができるというわけです。MACDが今でも人気のあるINDEXなのは、この明快さによるものといえるのではないでしょうか。
次回は、より詳細にMACDとシグナルを見てみましょう。
(高橋モータース@dcp)