前回は「%K」「%D」を組み合わせた「Fastストキャスティック」について紹介しました。動きの早い%Kと動きの遅い%Dの差を利用して、2つの線のクロスポイントから売買タイミングを見極めるという使い方がされます。今回は「Slowストキャスティック」についてご紹介します。
■「%D」と「Slow%D」を組み合わせる「Slowストキャスティック」
「Fastストキャスティック」は%Kと%Dの組み合わせでしたが、「Slowストキャスティック」は「%D」と「Slow%D」(以下SDと表記)の組み合わせです。前回と同様、実際のラインを見てみましょう。これは平田機工(銘柄:6258/JASDAQ)のチャートです(株マップ.comのクオンツチャートから引用)。
2つの線のクロスポイントを売買のサインと捉えるのは「Fastストキャスティック」の場合と同じです。
●「買い」のシグナル
%Dのラインが下から上にSDのラインを追い抜く
クロスポイントで「買い」
●「売り」のシグナル
%Dのラインが上から下にSDのラインを追い抜く
クロスポイントで「売り」
売買サインが機能しているかを確認してみましょう。
■「Slowストキャスティック」は売買サインをより明確にする
ちなみに「Fastストキャスティック」と「Slowストキャスティック」を並べて表示すると下のようになります。上が「Fastストキャスティック」、下が「Slowストキャスティック」です。
このように比較すればすぐに分かりますが、「Slowストキャスティック」の方が、ラインの振幅がなだらかですね。
これは先の記事で紹介したとおり、%Dが%Kの移動平均、SDが%Dの移動平均という成り立ちからきています。つまり、「Fastストキャスティック」では現れる細かな株価の振幅を「Slowストキャスティック」では拾わないようにしているのです。
この点は、先に紹介したMACDでの手法と似ていますね。細かな振幅を拾わないようにするためにMACDとシグナルの期間を長く取り、それを売りのサインに使った方が良いというアペルの指摘を思い出してください。
上記で分かるとおり、売買サインを示してくれるストキャスティックは非常に有力な指標(INDEX)なのですが弱点もあります。今回の記事が前回と同じ佐藤ボイラー(バカ丸出し)がやっと損切りしたイグニス(銘柄:3689/東証マザーズ)のチャートを使わなかったのもその弱点のためなのです。
次回の記事ではストキャスティックを使う上での注意点についてご紹介しましょう。
(高橋モータース@dcp)