佐藤ボイラー(バカ)の大損した大笑い必至の記事が間にはさまりましたが、今でもまま人気のある指標(INDEX)「ストキャスティック」の続きです。前回までに、ストキャスティックの「%K」「%D」「Slow%D」(以下SDと略)という3つの項目の計算方法について説明しました。今回は実際にそれをどのように使うか、です。
■「%K」のみに注目して「買われすぎ」「売られすぎ」を判断
ストキャスティックは、価格変動がどのくらいの水準なのかを計算し「売られすぎ」「買われすぎ」を判断し、売買タイミングを測ろうとするものです。
佐藤ボイラーが大損してやっと損切りしたイグニス(銘柄:3689/東証マザーズ)のチャートを見てみましょう。いつもと同じ株マップ.comのクオンツチャートからの引用です。ロウソク足のチャートの下にあるのがストキャスティックのチャートです。
水色のラインが「%K」(14日間)、赤いラインが「%D」(3日間)です。
まず「%K」のみに注目してみましょう。「%K」の値が「70-80%以上で買われすぎ」「20-30%以下で売られすぎ」と判断します。これは以前ご紹介した「RSI」と同じような使い方になりますね。70なのか80なのか、20なのか30なのか、といった点はトレーダー、説明者によって異なっています。
%Kは「○日間」を短く設定すると非常に激しく細かく動きます。0-100間の上下動が激しすぎると売買タイミングを測るどころではなくなります。ですので「%K」はあまりに短い○日間で使用しない方が良いでしょう。
■「%K」と「%D」を組み合わせる「Fastストキャスティック」
次に「%K」と「%D」を組み合わせて判断する方法です。この2つの線の組み合わせの判断方法(というか考え方、ツールなどによってはINDEXの名前になっていますが)を「Fastストキャスティック」と呼んでいます。
FASTストキャスティックでは、%Kと%Dのラインがクロスするポイントを売買タイミングとして捉える見方があります。
●「買い」のシグナル
%Kのラインが下から上に%Dのラインを追い抜く
クロスポイントで「買い」
●「売り」のシグナル
%Kのラインが上から下に%Dのラインを追い抜く
クロスポイントで「売り」
チャートで確認していただければ分かるとおり、「Fastストキャスティック」は売買タミングについてはうまく捉えられていることが分かります。
ただし、%Kがチャカチャカと忙しく動くので、FASTストキャスティックのサインどおりに売買するのは大変です。そもそも「売買サインをそのポイントで確実に捉える」のが難しいという点も問題になるでしょう。
次回は、動きをより滑らかにして売買ポイントを見極めようとする「Slowストキャスティック」についてご紹介します。これには「%D」と「SD」を組み合わせて使います。
(高橋モータース@dcp)