デフォルトして立て直しに四苦八苦しているアルゼンチンに中国が救いの手を差し伸べました。といっても特に「共助」などという麗しい話ではありません。
2023年01月08日、『アルゼンチン中央銀行』(Banco Central de la República Argentina)は以下のプレスリリースを出しました。
BCRAとPBCが通貨スワップの特例発動を確認
『アルゼンチン中央銀行』のミゲル・ペッシェ総裁(Miguel Pesce)は本日、スイスのバーゼルで開催された『国際決済銀行』(BIS)主催の中央銀行総裁会議の枠組みで、『中国人民銀行』(PBC)の李剛総裁と会談しました。
会談の結果、両機関間の既存の通貨スワップ協定が発動されたことを確認し、アルゼンチン市場における人民元の二国間為替利用を深化させることを約束しました。
このスワップは、1,300億人民元の外貨準備の強化としての通貨交換と、350億人民元の外国為替市場操作の相殺のための特別起動で構成されています。
※原文はスペイン語/比類なき翻訳エンジン『DeepL』で訳
⇒参照・引用元:『アルゼンチン中央銀行』公式サイト「El BCRA y el PBC confirman activación especial del swap de monedas」
外貨準備を積み増ししなければならないアルゼンチンは、中国と締結した通貨スワップを発動させました。うち350億ドルは外為市場の安定に投入――としています。
つまりアルゼンチン・ペソ安を食い止めよう、というわけですが、以下のドル/アルゼンチンペソのチャートをご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用:日足)。
デフォルトしているので仕方ありませんが、まさに「なんだこりゃ」というチャート。アルゼンチン・ペソはズンズン安くなり続けているのです。
中国が目論んでいるのは決済通貨としての人民元の利用拡大です。アルゼンチンは中国との貿易で人民元による決済を促進するつもりです。
中国はアメリカ合衆国の通貨・ドルの覇権に挑戦し続けています。
(柏ケミカル@dcp)