「これで世界第2位の大国らしい株価の上昇が見られるだろう」と大見得をきった措置が不発。
中国の株式市場は「ざまあ」な結果となっています。以下はまず香港ハンセンです(2023年10月16日16:06現在)。
次に上海総合です。
何をされるか分からない市場にお金を突っ込むバカはいません。中国の株式市場が盛り上がらなくても当然です。
株価が目論見どおりに全然上がらないので、2023年10月14日、土曜日だというのに『中国証券監督管理委員会』が以下のようなプレスリリースを出しました。ご注目いただきたい部分を和訳します。
(前略)
有価証券貸付面では、有価証券貸付の証拠金率を50%以上から80%に引き上げると共に、有価証券貸付に参加する私募証券投資ファンドの証拠金率を100%に引き上げ、金融サービスの充実を図ります。
(後略)⇒参照・引用元:『中国証券監督管理委員会』公式サイト「证监会调整优化融券相关制度 更好发挥逆周期调节作用」
証拠金率を引き上げました(笑)。FXや株式の取引をさせる方ならすぐにお分かりになるでしょうが、要は「空売り」をされたくないのです。
韓国などは極端な例ですが、空売りが行われると株価が下がるというので国によっては空売りに規制をかけることがあります。中国当局も株価が上がらないので頭にきた模様。
空売りを抑制しても効果があるかというと……ずいぶん前にご紹介したことがありますが、値下がりを遅らせる効果は一定程度あるものの、大勢には影響しない――というのが識者の意見なのです。空売り規制はむしろ流動性を引き下げる効果となります。
中国株価市場など、そもそもが信用できませんが、いよいよ末期症状と見ることが可能です。「誰かお金を入れてくれ」という断末魔の悲鳴のようです。
いっそのこと「売り」ボタンを消去したらいかがでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)