中国「韓国は身の程を知れ」実は韓国はどうでもよく、比・米・日・豪の連携が中国の大問題

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2024年03月12日、中国外交部の定例記者ブリーフィングで興味深い一幕があったのでご紹介します。

南シナ海で、フィリピン・中国の軋轢が深まっています。現在の韓国、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は自由主義陣営に残ろうという立場ですので、フィリピン側に立って発言しています(中国にあまりにらまれないようにひっそりとです)。

汪文斌報道官は、韓国外交部報道官の発言に対するレスだと思われますが、以下のように述べました。

「私たちは韓国外交部報道官の関連立場表明に注目し、これに対して厳重な懸念を表明する」

「事件の責任は完全にフィリピン側にあり、韓国は南海(南シナ海)問題の当事者ではない

「近年、数年間維持してきた慎重な中立的立場を変えて、南海問題で何度も中国を暗示して非難した。

中国はそのたびに直ちに交渉を提起し、反対の立場を明らかにした」

「私はあらためて、韓国が自らをよく知って、雰囲気に流されて大騒ぎすることなく、中韓関係に不必要な負担を増やすことを避けるよう促す」

「好自爲之」が注目ポイントで、字義的には「自らをなんとかしろ」「自力でなんとかしろ」的な意味になりますが、叱責や相手から距離を置いての発言、非難のときに使われ、「身の程をわきまえろ」といったところです。

簡単にいえば、関係ないんだから口出しするな、黙ってろ――です。

中国にとっては韓国どころではない!

この南シナ海の問題については、中国は各個撃破を狙っています。アメリカ合衆国や日本、オーストラリアなどの国がフィリピンと連携するのを阻まないといけません。

フィリピンに圧力を掛けて要求の飲ませて、「フィリピンが納得して話をついたので、合衆国は黙っててもらえますか」にしたいのです。

「そうはいくか!」というわけで、フィリピンは後ろ盾を得るために動いています。

駐米フィリピン大使であるホセ・マヌエル・ロムアルデスさんが、

フィリピンは合衆国、日本、オーストラリア、その他の同盟国と協力して南シナ海の石油・天然ガス資源を開発することを模索している

と述べました。

中国としては、韓国など本当はどうでもいいのです。ただ「『その他の同盟国』の中に韓国がいっちょ噛みしてきやがったら鬱陶しい」――なのです。

にわかに言及された、この南シナ海の資源開発については『Bloomberg』記者が中国外交部に質問して、以下のような一触即発のQ&Aがありました。

『Bloomberg』記者:
フィリピンは、南シナ海の石油・ガス資源開発のため、合衆国、日本、オーストラリア、その他の同盟国と協力することを求めている、と駐米フィリピン大使が語った。以前、フィリピンの前政権は、これらの資源開発について中国と協議を行っていた。フィリピンの戦略調整に対する中国のコメントは?

汪文斌:
南シナ海問題は中国と一部のASEAN諸国との間の問題であり、中国は直接関係する国々と協力し、交渉と協議を通じて資源開発を含む南シナ海に関する紛争を解決することを主張している。 関係国による南シナ海での資源開発は、中国の領土主権と海洋権益を損なうものであってはならず、域外国を巻き込むものであってはならない。

同記者:
報道官は、外国のエネルギー企業が南シナ海の資源開発に参加することを、本当に中国の主権に対する干渉だと考えているのか?

汪文斌:
私は中国の立場を述べただけだ。

関係国による南シナ海での資源開発は、中国の領土主権と海洋権益を損なってはならない。南シナ海問題に領土外の国を介入させることは、状況をさらに複雑にするだけだ。

⇒参照・引用元:『中国 外交部』公式サイト「2024年3月11日外交部发言人汪文斌主持例行记者会」

そうなのです。実は、駐米フィリピン大使による「合衆国や日本……」という発言は、フィリピンの大きな戦略的転換を意味します。

『Bloomberg』記者が述べているとおり、これまで(前政権下で)は、南シナ海の資源開発については中国と相談して行うというのが、基本姿勢だったのです。これを合衆国や日本、オーストラリアなど自由主義陣営国と行うというのであれば、話は全く異なります。

フィリピンの「脱中国」宣言となるのです。

『Bloomberg』記者による「報道官は本気で中国の主権を侵害する行為だというのか?」という質問は、真っ向勝負といっていいでしょう。汪文斌さんの回答はさすがに原則論で逃げました。

中国は誤解しているかもしれませんが、合衆国はフィリピンの宗主国を自認しており、中国の勢力下になることを絶対に許しません。韓国は「黙ってろ」でキャンと鳴いて動きを止めるかもしれませんが、合衆国はそうななりません。

2024年03月07日、韓国の定例記者ブリーフィングで以下のようなやり取りがあったのです。もともとは駐フィリピン韓国大使館による「(中国に対する)懸念表明」に端を発します。

<質問>
南シナ海で中国とフィリピンの船舶衝突まで起きて緊張が高まっている状況ですが、駐フィリピン韓国大使館も懸念を表明しました。これと関連し、外交部の立場があるのか知りたいです。
(メディアペンのキム・ソンジョン記者)

<回答>
韓国政府は、南シナ海で中国とフィリピンの船舶が衝突し、フィリピン船舶に対して水鉄砲が使用され、危険な状況になっていることについて深く懸念しています。

このような状況は船員の安全を脅かし、南シナ海の緊張を高めています。私たちは、南シナ海における平和と安全、ルールに基づく秩序の維持、および国連海洋法条約を含む国際法の原則に従った航行と上空の自由を支持します。

⇒参照・引用元:『韓国 外交部』公式サイト「スポークスマン定例説明(03.07)」

(吉田ハンチング@dcp)

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