世界がウクライナ情勢で揺れる中、お隣の韓国からは「国産初のガスタービンを発電現場に設置した!」となんとも勇ましいニュースが飛び込んできました。
韓国の産業通商資源部が発表したプレスリリースによると、2022年04月05日に官民合同で開発した「国産初のガスタービンの設置式」が行われたとのこと(以下はプレスリリース)。
↑『斗山重工』の発電用ガスタービン「DGT6-300H S1」。PHOTO(C)『斗山重工』
式典はガスタービンが設置される金浦熱併合発電所で実施され、文勝煜(ムン・スンウク)産業通商資源部長官らが参加しました。
今後は2023年7月まで実証実験を行うとのことで、今年の上半期中に「発電ロードマップ」を発表するとしています。
注目すべきは「国産初のガスタービン」という点です。
そもそもガスタービンは開発が難しく、世界でアメリカ(GE)、ドイツ(シーメンス)、日本(三菱重工)、イタリア(アンサドル)の4カ国しか国産開発・稼働に成功していません。
韓国でも『三菱重工』からライセンス供与を受けて開発するなどしていましたが、実現は難しく、現在国内で使用されているガスタービン161機は全て日本など海外製品です。
しかし、反日感情の高まりから、日本製ガスタービン導入への反対運動が頻発。
こうした国内情勢もあり、韓国では国産ガスタービンの開発が求められていました。2019年にようやく「『斗山重工業』が国産初のガスタービン開発に成功」としました。
2021年11月には、キモである「タービンブレードの国産化にも成功」とし、完全国産化に向けての流れが続いている状況です。
「電力系統に接続しない状態での稼働実験」は行われていますが、発電現場に設置されるのは今回が初。
先述のように、ガスタービン開発は非常に難しく、現場での実証実験でトラブルが起こる可能性はゼロではありません。
果たして韓国発の国産ガスタービンはどのような結果を残すのか、今後に注目ください。
⇒参考:『三菱重工』「大型ガスタービンの製造・販売ライセンスを供与」
https://www.mhi.com/jp/news/200705294590.html
⇒参考:『中央日報』「飛行機エンジンより難しい技術…斗山重、ガスタービン国産化が目前」
(中田ボンベ@dcp)