いよいよ韓国政府が正式に『CPTPP』への加盟申請を行おうとしています。日本としても面倒くさい交渉が始まることを覚悟しておかなければなりません。
韓国は、今回『CPTPP』加盟申請するに当たり、イギリスとネゴネゴしていたことが分かりました。
「ぼくをタスケロン」的な韓国の要求
2022年04月14日、韓国産業通商資源部の呂翰九(ヨ・ハング)通商交渉本部長が駐韓イギリス大使(新任予定)Colin Crooks(コリン・クルックス)さんと会談を行いました。以下が産業通商資源部が出したプレスリリースです、注目ポイントを和訳します。
(前略)
まず、呂本部長は『CPTPP』の経済的・戦略的価値を考慮して、『CPTPP』加盟を推進中であり、04月中の公式加入申請を目標に、公聴会開催(03月25日)など、加入関連国内手続きを進めていることを説明し、○最近『CPTPP』加盟国の長官級と接触した結果、ほとんどの加盟国は韓国の加盟申請について歓迎・支持の意思を表明したと伝えた。
続いて、イギリスが『CPTPP』新規加盟申請書を提出(’21年02月01日)して加盟作業パネルを設置(06月02日)した後、加盟交渉を順調に進行中(06月22日~)であると知っていると述べ、
* CPTPP加入手順:①非公式協議⇒②加入申請書提出⇒③加入作業盤の設置及び公式交渉進行⇒④加入承認(③、④は『CPTPP』委員会のコンセンサスで決定される)
– 今後、韓国の加盟申請時にイギリスとも緊密に共助できるように新任大使の積極的な支持・協力を求めた
(後略)
クルックス新駐韓英国大使(予定)に対して、『CPTPP』加盟国の長官クラスと接触した打診した結果、「ほとんどの加盟国は韓国の加盟申請について歓迎・支持の意思を表明した」と述べています。
「ほとんどの国」ということは、歓迎・支持の意思を表明しなかった国もあるということです。
また、イギリスが加盟交渉の進捗過程①②③④のうち、③まで来ていることを知っていると言っています。つまり「イギリスは順調ですね」というわけです。
その上で、「韓国の加盟申請時にイギリスと共助を行いたい」と述べているのですが、共助も何もイギリスは順調に③まで来ているので、加盟国でもない韓国に助けてもらうことなどありません。
つまり、これは「(イギリスにとってはなんの益もないのに)イギリスは韓国を助けなればならない」といっているのと変わりません。
傑作なのは、この韓国の要求に対してイギリスがなんと応えたか、プレスリリースになんの記載もない点です。
もし肯定的な反応があれば、プレスリリースに書かないわけがありません。
新任大使ということもあるのでしょうが、クルックスさんはまずは話だけ聞いて……と韓国側になんら言質を与えなかったのです。イギリスっぽいですね。
――さあ韓国の『CPTPP』加盟申請の行方はいかなることになるでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)