中国・韓国は2022年に修交30周年を迎えます。
国交を樹立して30年となる節目の年で、記念イベントも種々用意されているのですが、おめでたくはない意味で節目の年になるかもしれません。
というのは、これまでぼろもうけしてきた韓国の対中国貿易に異変を来しているからです。
通関ベースではありますが、中国への輸出が顕著に減少してきました。以下は2022年06月の地域別輸出金額の実績です。
輸出金額(億ドル) | 増減率 | |
アメリカ合衆国 | 97.8 | 12.2% |
EU | 52.3 | 0.5% |
ASEAN | 154.8 | 8.1% |
中国 | 129.7 | -0.8% |
※増減率は対前年同期比
韓国の輸出先の主要地域では上掲のとおり、中国はマイナスに転じているのです。先にご紹介したとおり、貿易収支は赤字に転落して3カ月となります。
韓国が対中国貿易でもうからなくなってきているのは、中国が韓国製品を買わなくなってきたこと、また韓国が中国からの輸入を増やしていることが原因です。
自動車、スマートフォン、液晶ディスプレーなど、韓国産の主力輸出品目の幾つかはすでに技術力で追いつかれており、中国市場ではかつてのように売れなくなっているのです。
半導体が主力製品といってもいいのですが、これまたいつまで優位性が持つか分かりません。
メモリー半導体の技術的優位性も怪しくなってきた
システム半導体はともかく、韓国の主力はメモリー半導体です。中国はひたひたと韓国の背中を追っており、技術的に追いつかれたらおしまいです。
実際、2022年08月05日、『Reuters(ロイター)』など外信は、中国の『YMTC』(長江存儲科技:長江メモリ・テクノロジーズ)が「3D 232層NANDフラッシュメモリー半導体」である「X3-9070」の開発に成功した――と報じました。
技術的には先行する『Micron(マイクロン)』、『SKハイニックス』を猛追しています。『マイクロン』は年末までに232層チップの量産に入りたいとしており、『SKハイニックス』の方は238層チップを開発したとしています。
『YMTC』がすぐに量産に入れるとは考えにくいですが、油断している時間などないことは確かです。
2022年は通年で見るとまだ対中国貿易は黒字なのですが、しかし後から振り返ると今年が節目の年だったね――となるかもしれないのです。
対中国貿易でもうからなくなると、韓国の貿易でのもうけが大きく減少することも予想されます。韓国は貿易一本で食べていますので、そうすると国が傾いてしまいます。
2022年下半期、韓国の対中国貿易がどのような推移を見せるのかにご注目ください。
⇒参照・引用元:『Reuters』「China’s memory upstart YMTC edges closer to rivals with 232-layer chip」
(吉田ハンチング@dcp)