韓国は自動車大国みたいに自称しますが、その内実は「北米市場頼み」になっています。
まず、『韓国銀行』がまとめた「わが国主要製造業生産およびサプライチェーン地図(2023)」というリポートの数字をご紹介します。以下をご覧ください。
韓国の国別完成車輸出(2022年)
第1位 アメリカ合衆国……222億4,600万ドル(41.1%)
第2位 カナダ……32億9,700万ドル(6.1%)
第3位 オーストラリア……32億6,400万ドル(6.0%)
第4位 イギリス……22億3,800万ドル(4.1%)
第5位 ドイツ……17億2,700万ドル(3.2%)
韓国企業産の自動車は、その41.1%が合衆国に輸出されています。カナダが「6.1%」ですので、足すと「47.2%」。
北米市場に依存していることが一目瞭然です。この傾向は現在の2025年も強まっています。なぜなら中国市場や日本市場では韓国産の自動車はシェアを取れず、欧州市場も不景気がクルマ需要が伸びていないからです。
『欧州自動車工業会』(ACEA)のデータによれば、2025年1月の新車販売台数は前年同月比2.1%減の約100万台となり、昨年8月以来の低水準となっています。
Money1でもしばしばご紹介してきたとおり、自動車大国と誇っているものの、北米市場で何かあって売れなくなると「おしまい」です。
『韓国貿易協会』(KITA)のデータによると、2025年01月、アメリカ合衆国における韓国産自動車の輸出金額が急減したことが分かりました。
01月の韓国の対米自動車輸出額は、中古車を含めて合計22億3,100万ドル(約3兆2,000億ウォン)となり、前年同月比30.7%減少しています。
このうち新車の輸出額は15億ドルで、前年同期比36%減少しました。
面白いのは、車種別の輸出金額の推移です。以下をご覧ください。
2024年01月と2025年01月の対合衆国輸出金額を車種別に見たものですが、オレンジの棒(2025年01月)が昨年同期を上回っているのは、ハイブリッド車だけです。
↑『現代自動車』の人気車「グレンジャー ハイブリッド」。
この増減率をグラフにすると以下のようになります。
ハイブリッド車だけが24.7%増加していますが、他は大きく減少しており、特に電気自動車(EV)は90.4%も減少しているのです。
このように韓国が輸出する電気自動車が売れなくなっているので、その川上の企業、二次電池屋の業績も傾いています。
注意しなければならないのは、上記のとおり、内燃機関車であるかどうかなどに関係なく、韓国にとって最も重要な合衆国市場で、対前年同月比で輸出額が30.7%減少しているという点です。
これは非常に厳しい現実です。
(吉田ハンチング@dcp)