先にご紹介したとおり、外国から中国にお金が入らなくなっています。
データ出典:『中国 国家外為管理局』公式サイト「中国国际收支平衡表时间序列(BPM6)」と02月14日同局が公表したデータより作成
中国の国家外為管理局が公表した国際収支統計のデータによれば、2024年通年で外国から中国に対する直接投資は「45.3億ドル」しかなかったのです。
2021年の「3,440.7億ドル」と比較すれば約99%(98.7%)もなくなったのです。
「投資家は中国には投資しない」という明確な意志を示しています。
これだけ中国への直接投資がなくなれば、中国共産党の上層部が青ざめても当然です。
2025年02月10日、中国の国務院は面白い計画「2025年外資安定化行動計画」を承認しました。
この計画の摘要を以下に和訳してみます。
2025年 外資安定化の行動計画発表——引き続き外資企業の中国投資を支援し、中国市場を深耕
02月10日、国務院常務会議において「2025年外資安定化行動計画」(以下「行動計画」)が審議・承認された。02月20日、国務院新聞弁公室が政策説明会を開催し、関連状況を紹介した。
さらなる対外開放の積極的なシグナルを発信
2024年末時点で、中国における外資系企業の累計設立数は123.9万社を超える
「外資投資は、中国の新たな生産力の発展と中国式現代化の実現において、極めて重要な役割を果たしている。」と、商務部副部長兼国際貿易交渉副代表の凌激氏は述べた。
2024年末時点で、外資系企業の中国における累計設立数は123.9万社に達し、実際の外資導入額は20.6兆元に上る。
2025年の外資安定化施策をさらに強化するため、商務部および国務院発展改革委員会は関連部門と協力し、多くの外資企業の共通の課題や要望を収集。
その結果、「外資24条」の既存政策に基づき、以下の4つの重点分野において、20の政策措置を打ち出し、「行動計画」としてまとめた。
市場参入の自主開放の拡大
投資促進レベルの向上
開放プラットフォームの効率強化
サービス保証の強化
(後略)
もし興味があれば、上掲リンクで原文をご確認ください。要は「中国にお金を入れてくれ」という話に過ぎません。
「このままではマズい」というので、慌てて外資への「さらなる市場開放」を言い出したのです。中国共産党が慌てふためいている様子が目に浮かびます。
ばっかじゃなかろか――という話で、外国人が中国に投資しなくなったのは、
中国は自由主義経済国ではない
(資本の自由な移動ができない)
法律の上に中国共産党があり何をされるか分からない
ことを深く理解したためです。
外国からの投資を増やすためには、中国共産党が滅んで自由主義経済であることを証明しなければなりません。そんなことはできませんから、中国に外国からの直接投資が増えるとは、とても考えられません。
いくら「猫撫で声」を出しても無駄ではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)