習近平が「中国にお金を入れてくれ」。また始まった「中国良いとこ、投資に最適」

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中国は韓国の下をいくどん底景気で、本当に地獄のような様相を呈しています。

いくらお金をまいても(流動性を高めても)まったく景気は良くなりません。

先にご紹介しましたが、国務院の李強さんが「消費しよう!」などというバカ丸出しの声明を出しましたが、給与カット、失業、飲食店がバタバタ潰れる、会社がどんどん飛ぶ――といった状況で、みんな「お金がない」というのに、消費など増えるわけがないでしょう。

――で、また始まったのです。

外資を活用しよう」が。

簡単にいえば「中国にお金を入れてくれ」です。

中国良いとこ、投資に最適」を声高に言い始めました。しかも、習近平さん自身が率先し外国企業を招いて、です。

韓国『サムスン電子』の総帥、李在鎔(イ・ジェヨン)会長も北京に招かれました。

2025年03月28日に「国際ビジネス界の代表者と会談」が行われ、中国の外交部は以下のようなプレスリリースを出しました。

一応全文和訳しましたが、面倒くさい方は飛ばしてください。自画自賛の美辞麗句しか並んでいませんので。ただし、強調文字の部分にはご注目ください。

投資してくれ」「金入れてくれ」と述べているところですので。

また、赤いアンダーラインの部分にもご注目ください。「招かれた外国企業人が本当にそんなこと言ったんですか?」という部分なので。

2025年03月28日の朝、習近平国家主席は北京の人民大会堂で国際ビジネス界の代表者たちと会談した。

習近平氏は国際ビジネス界の代表者たちを歓迎し、中国との協力に対する彼らの長期的な取り組みに感謝の意を表した。

習近平氏は、新中国建国以来70年以上、特に改革開放以来40年以上にわたり、中国は急速な経済発展と長期にわたる社会の安定という2つの「奇跡」を成し遂げてきたと強調した。

これは中国共産党の強力な指導力と中国人民の団結した闘争によって達成されたものであり、また、中国に進出している外資系企業による貢献を含む国際社会の支援と協力なしには成し遂げられなかった。

改革開放により、中国は急速に世界市場に参入し、時代に大きく追いつくことができた。

その重要な要素の一つが、外国投資の積極的な活用である。

中国に投資する外資系企業は、中国の経済成長と雇用を促進し、中国の技術と経営の進歩を促進し、中国の改革開放を後押ししてきた。

実践が証明しているように、外資系企業は、中国の近代化、改革開放、イノベーションと創造、そして世界とのつながりと経済のグローバル化への統合において重要な役割を果たしている。

このプロセスにおいて、外資系企業は概して大きな利益を得ており、企業は成長と発展を続け、相互利益とWin-Winの結果を達成し、中国の人々との深い友情を築いている。

習近平氏は、長年にわたり、中国は世界経済の成長に大きく貢献し、安定の要となっており、中国式の近代化を総合的に推進していると指摘した。

対外開放は中国の基本的国策であり、中国は対外開放を高度に推進している。

開放の扉はさらに大きく開かれ続けるのみであり、外資利用政策はこれまでと変わらず、今後も変わることはない。

中国は世界第2位の消費市場であり、世界最大のミドルクラスを抱え、投資と消費の巨大な潜在力を秘めている。

中国は質の高い発展に尽力しており、グリーン、デジタル、インテリジェントな発展への転換を加速させている。

強力な産業支援能力を備えた中国は、新技術革命と産業転換の最適な応用シナリオである。

中国は外国投資の利用に関する比較的に健全な規制と政策体系、および貿易と投資の自由化と円滑化を促進する作業体系を構築しており、市場志向で、法に則り、国際化された一流のビジネス環境を積極的に創出している。

中国は長年にわたり政治的安定と社会的安定を維持しており、世界で最も安全な国のひとつとして認識されている。

これらは、中国が大きなビジネス分野、幅広い市場展望、安定した政策期待、良好な治安状況を有していることを示している。

まさに外資系企業が投資を行い、事業を立ち上げるのに適した肥沃な土壌である。

中国は、過去も現在も、そして今後も、外国企業にとって理想的な、安全で有望な投資先であり続けることは間違いない。

中国と仕事をするということは、チャンスと仕事をするということである。

中国を信じるということは、明日を信じるということである。

中国への投資は、未来への投資である。

習近平氏は、中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議において、外商投資および対外投資管理制度の改革を深化させるためのロードマップとタイムテーブルが策定されたことを強調した。

中国は、市場参入障壁の低減とさらなる開放に重点的に取り組み、中国国内の外商投資企業の平等な取り扱いを保証し、公正な市場競争を維持する。

また、外国企業とのコミュニケーションを強化し、中国での貿易および投資に可能な限りの便宜を図り、法律に基づき外商投資企業の正当な権益を保護する。

同時に、中国は平和的発展の道を断固として歩み、外商投資企業の発展に有利な外部環境の創出に努める。

習近平氏は、多国間主義は世界が直面する困難な課題を解決するための必然的な選択であり、経済のグローバル化は止められない歴史的流れであると指摘した。

中国は真の多国間主義を堅持し、包摂的な経済のグローバル化を推進し、世界経済のガバナンスに積極的に参加し、開放的な世界経済の構築に尽力する。

外資系企業、特に多国籍企業は、世界経済の秩序を維持する上で重要な役割を果たし、重要な責任を担っている。

多国間貿易体制を維持し、グローバルな産業チェーンとサプライチェーンの安定性を維持し、開放的で協力的な国際環境を維持し、経済のグローバル化を正しい方向に推進するために、共に努力しなければならない。

この会議には、40人以上の外資系企業の会長やCEO、および企業連合の代表者が出席した。

出席者には、フェデックス社のフレデリック・W・スミス社長、ダイムラーAGのディーター・ツェッチェ取締役会長、サノフィ社のジャン=ポール・アゴン最高経営責任者(CEO)、HSBCホールディングス・ピーエルシーのグループCEOスチュアート・ガルバー氏、日立製作所取締役会長の東原敏昭氏、SKハイニックス社のクォク・レン・チャン会長兼CEO、サウジアラムコ社のアミン・ナセル社長兼CEOなどが含まれる。

彼らは、習近平国家主席の指導の下、中国は改革の全面的深化と対外開放のレベルアップを通じて、素晴らしい安定した経済成長を達成したと述べた。

「メイド・イン・チャイナ」から「新しい生産力」へと、中国は技術革新により産業転換と高度化を実現し、より質が高く持続可能な発展を達成するだろう。

保護主義の高まりを背景に、中国の継続的な開放は世界経済に安定をもたらし、確実性のオアシスとなり、投資と起業のホットスポットとなっている。

中国の成長は世界経済の主要な原動力であり、その広大な機会と成長の余地は刺激的である。

私たちは、中国政府が外資系企業のために公平で良好なビジネス環境を創出するための努力を高く評価している。

私たちは、中国への投資と協力を断固として拡大し、中国市場を開拓し、中国の近代化プロセスに積極的に参加し、中国と他国間の交流と協力の架け橋を築き、世界市場の開放を支援し、国際的な自由貿易を守り、世界経済の発展に貢献していく。

会議には、蔡奇、王毅、何立峰が同席した。

⇒参照・引用元:『中国 外交部』公式サイト「习近平会见国际工商界代表」

圧巻は――

「中国が大きなビジネス分野、幅広い市場展望、安定した政策期待、良好な治安状況を有していることを示している。

まさに外資系企業が投資を行い、事業を立ち上げるのに適した肥沃な土壌である」

――の畳み掛けです。

「えっ、そうでしたっけ?」であって、こんなウソ話にだまされる投資家はいません。

誰も中国を「投資を行い、事業を立ち上げるのに適した肥沃な土壌」と見ていないから、投資がどんどん逃げていっているわけです。

再度、1981年から2024年までの「外国 ⇒ 中国」の直接投資の金額の推移のグラフを以下に貼ります。


データ出典:『中国 国家外為管理局』公式サイト「中国国际收支平衡表时间序列(BPM6)」と02月14日同局が公表したデータより作成

中国市場がリオープニングするぞと期待された2021年には、「3,440.7億ドル」という巨額が中国に投じられましたが、2024年にはとうとう「45.3億ドル」まで縮小しました。

外国から中国に投じられる直接投資は、この間「98.7%」も減少しました。

これをご紹介した先の記事で、「これは習近平さんでなくても「頼むから中国にお金を入れてくれ」と言うでしょう」と書きましたが、大当たりでした。

「本当に(また)言った」のですから。

先記事から約2カ月たちましたが、習近平さん自身が言っているということは、中国に対する直接投資はまったく好転しなていないと見られます。

それにしても――です。

このプレスリリースでは、招かれた国際的企業人が、

習近平主席の指導の下、中国は全面的な改革深化と高水準の対外開放の拡大を通じて、経済の安定成長を実現しており、これは非常に称賛に値する。

(中略)

われわれは、中国政府が外資系企業のために公平で良好なビジネス環境を整えていることを高く評価し、今後も引き続き対中投資と協力を拡大し、中国市場に深く根ざし、中国式現代化の進程に積極的に参加し、中外交流と協力の架け橋となり、グローバル市場の開放を支持し、国際自由貿易を維持し、世界経済の発展に貢献していく所存である」

などと述べたことになっています。

「そんなこと言ってねーよ!」なのではないでしょうか。中国はだんだん北朝鮮に似てきています。

(吉田ハンチング@dcp)

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