日中韓外相会談が日本で行われ、これに合わせて訪日した中国・王毅外交部部長(外相に相当)が2025年03月21日に石破茂首相を訪問。
この後、中国の外交部がプレスリリースを出したのですが、日本の外務省が中国側の記述について「石破茂はそんなこと言ってないだろ」と文句をつけました。
以下をご覧ください。
王毅・中国外交部長による石破総理表敬に関する中国側事後発表について
令和7年3月22日1. 3月21日に実施された王毅・中国外交部長による石破内閣総理大臣表敬について、中国外交部は、同日発出した事後発表において、石破総理大臣が「中国側が詳述した立場を尊重する」旨の発言を行ったとしていますが、そのような発言を行った事実はありません。
2. 中国側に対しては、当該発表の発出後、抗議し、事実と異なる記述を直ちに削除するよう申し入れました。事実と異なる発表が発出されたことは遺憾です。
3. 今般の王毅部長による表敬では、石破総理大臣は、東シナ海情勢や中国にいる日本人の安心・安全の確保、拘束されている邦人の早期釈放、水産物の輸入規制の撤廃、牛肉をはじめとする農産物に関する問題等といった懸案や課題を減らしていく必要性を強調しており、当該発言を行った事実は全くありません。
中国外交部が公表したプレスリリースというのは、以下のものだと思われるのですが、これだと石破茂首相がまるで唯々諾々と王毅外相の話を受け入れた――と見えるので、そんなことは言ってない――と文句をつけたのでしょうか。
日本首相石破茂会见王毅
2025-03-21 22:402025年03月21日、日本の石破茂首相は東京で訪問中の中国共産党中央政治局委員で外交部長の王毅氏と会談した。
王毅氏は石破首相に中国指導者の挨拶を伝え、首相就任以来、日中両国が二国間関係の改善プロセスを再開したことに言及した。
また、昨年11月にリマで習近平主席と石破首相が成功裏に会談し、日中戦略的互恵関係を全面的に推進することで一致し、日中関係の発展に方向性と活力を与えたと述べた。
さらに、日中両国は共に重要な影響力を持つ国であり、アジアのより良い未来を切り開くために協力することが双方の共通の使命であると強調した。
変動する国際情勢や次々と出現するグローバルな課題に直面し、双方は信頼を深め、協力を強化し、世界により多くの安定性と確実性を提供すべきであると述べた。
王毅氏はまた、近隣国として誠実に接し、信義を重んじて友好関係を築くことが正しい隣国の道であると強調した。
日本側は『日中共同声明』など4つの政治文書で確立された原則を堅持し、両国関係の政治的および法的基盤を維持し、歴史や台湾問題に関して行った重要な政治的約束を確実に履行すべきであると述べた。
今年は中国人民の抗日戦争勝利80周年に当たる。
この重要な節目にあたり、日本側が歴史、国民、そして未来に対して責任ある態度で賢明な選択を行い、世界に正しいメッセージを発信することを望むと述べた。
石破首相は、王毅氏に中国指導者への誠実な挨拶を伝えるよう依頼し、昨年11月に習近平主席と日中戦略的互恵関係を全面的に推進し、建設的で安定した日中関係を構築することで重要な共識に達し、両国の各分野での協力が新たな成果を上げたと述べた。
日本側は日中4つの政治文書の重要な意義を十分に認識し、中国側の立場を尊重し、中国と交流と協力を強化し、両国関係を前進させ、両国民により良い利益をもたらしたいと述べた。
⇒参照・引用元:『中国 外交部』公式サイト「日本首相石破茂会见王毅」
中国側としては、台湾を包摂したいので、「一つの中国」原則を言い立て、取り憑かれたように「4つの政治文書を守れ」と連呼しています。
アメリカ合衆国は、合衆国の「一つの中国」原則として、それが「中国の『一つの中国』原則」と同じものだとは言っていません。このような面従腹背な外交姿勢は日本も見習うべきかもしれません。
↑「岩屋もいるでよ」な現場。
(吉田ハンチング@dcp)