2022年は中国・韓国が国交を樹立して30年目の記念すべき年ですが、韓国の対中国貿易は曲がり角にきています。
この30年間で、韓国の「対中国貿易黒字」は「7,099億ドル」(約102兆7,509億円)と集計されています。
しかし、2022年は06~08月は貿易赤字に転落しています。
①中国が韓国の技術力に追いつきつつあり、韓国から輸入する製品が減少していること、②韓国が中国から輸入する資源、中間財が増加傾向にあって歯止めがかからないこと――などがその理由です。
例えば、韓国は「Kバッテリー」と称して、電気自動車用の二次バッテリーで世界的に大きなシェアを有していますが、中国から材料が入ってこなくなると「おしまい」です。
実際、中国からの二次バッテリー用原材料の輸入はこの1年で約1.5倍以上に増加しており、このような輸入増が貿易収支が赤字になる大きな原因となっています。
また、中国自身の経済的な低迷も韓国の輸出が振るわない理由の一つです。輸入とは、外国からする消費ですから、国の景気が悪くなると、当然輸入は減少します。
韓国からすると、これまでのお得意さまの消費が減退するわけで、輸出が伸びません。
つまり、輸出が減って、輸入が増えるわけですから、「輸出 – 輸入」で求める貿易収支は悪化して当然です。
2022年は08月まで直近3カ月連続の貿易赤字でした。
4カ月連続の赤字になるかどうか注目されていたのですが……。
すれすれでセーフ!
2022年10月01日、韓国の産業通商資源部から「通関ベースの09月輸出入動向(暫定版)」が公表されました。主要貿易相手国別の輸出入を見ると以下のようになっています。
まず輸出です。
09月の対中国輸出は「133億6,800万ドル」で、対前年同期比「-6.5%」でした。
次に輸入です。
09月の対中国輸入は「126億8,100万ドル」で、対前年同期比「+11.1%」でした。
「輸出:133億6,800万ドル」で「輸入:126億8,100万ドル」ですから、貿易収支は以下のようになります。
輸出:133億6,800万ドル
輸入:126億8,100万ドル
貿易収支(輸出 – 輸入):+6億8,700億ドル
「約6.9億ドル」と薄いながらもなんとか黒字です。
2022年の「対中国の貿易収支」はここまで以下のように推移しています。
対中国貿易の赤字は4カ月連続で止まりました。5カ月連続は免れましたが、まだ油断はできません。
韓国の対中国貿易での先行きは明るくないのです。韓国が中国から貿易黒字を積み上げられる時代は終わりました。
(柏ケミカル@dcp)