2025年03月07日、ソウル中央地方裁判所は、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領側から請求された釈放要請を認めました。
Money1でもご紹介してきたとおり、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は、逮捕拘束されソウル拘置所にいます。
尹大統領は01月15日午前10時33分、高位公職者犯罪捜査処により逮捕されました。
この4日後(01月19日)、拘束令状が発付されました。高位公職者犯罪捜査処から事件を引き継いだ検察は01月26日午後6時52分に尹大統領を拘束・起訴しました。
尹大統領の弁護団はこれを違法であるとして02月04日に日に拘束取消しを申請していました。
01月03日
高位公職者犯罪捜査処、尹大統領の逮捕令状を請求
01月15日
高位公職者犯罪捜査処・警察、尹大統領の逮捕令状を執行・逮捕
政府ソウル庁舎 ⇒ 拘置所へ移送(約10時間40分)
尹大統領、ソウル中央地裁にて逮捕適否審査を申請
01月16日
裁判所、尹大統領の逮捕適否審査の審理期間を設け、逮捕状態を維持
01月17日
高位公職者犯罪捜査処、ソウル西部地裁に尹大統領の拘束令状を請求
01月18日
ソウル西部地裁で尹大統領の拘束令状審査実施
尹大統領、令状審査出席(約4時間50分後に終了)
01月19日
ソウル西部地裁、尹大統領の拘束令状を発付
尹大統領、ソウル拘置所に収監
01月19~22日
尹大統領、拘束後に初の調査を拒否
ソウル、江南区・大田支部で調査を受ける
01月23日
高位公職者犯罪捜査処、尹大統領の自宅を家宅捜索
検察が尹大統領の拘束満期を考慮し、拘束延長を申請
01月24日
ソウル中央地裁、尹大統領の拘束延長申請を棄却
01月26日
検察、尹大統領を「内乱首謀者」の容疑で拘束起訴
02月04日
尹大統領、拘束取消しを申請
02月20日
尹大統領、憲法裁判所の弾劾審判と拘束取消し審問に出席
尹大統領側「直ちに釈放すべき」と主張
03月07日
ソウル中央地裁、尹大統領の拘束取消し申請を認める(今ココ)
ソウル中央裁判所は、
「尹大統領の拘束期間が満了した状態で起訴されたとみるべきである」
「高位公職者犯罪捜査処法上、公捜処の捜査範囲には内乱罪が含まれておらず、捜査手続きの適法性に疑問が生じる」
「尹大統領を拘束したまま裁判を続けることは適切ではない」
とし、尹大統領の釈放(拘束すべきではない)を判断しました。
検察は、この裁判所の拘束取消し決定に対し、7日以内に抗告することができます。もし抗告しない場合、検察が「釈放指揮書」をソウル拘置所に送付し、尹大統領は釈放されます。
当然、頭に来ているのは「尹大統領 = 内乱首魁」と規定して早期罷免を狙っていた『共に民主党』です。
尹大統領を釈放するとは何事か!
早速激烈な反応が出ています。
ハン・ミンス『共に民主党』報道官は、
「内乱の首謀者である尹錫悦の釈放とは何事か。検察は直ちに抗告すべきだ」
「今回の裁判所の決定は、憲法裁判所で進行中の尹錫悦大統領の弾劾審判とは全く無関係であり、影響を与えることはない」
と述べました。他にも以下のような主張を開陳しました。
キム・ジュンヒョク『共に民主党』議員
「法治主義と司法制度への信頼を損なう深刻な問題だ。大統領という職責の特殊性を考慮するとしても、法の前ではすべての国民が平等でなければならない」
「今回の決定は、その原則を損ない、国民に法執行の公正性について疑念を抱かせる恐れがある」
「法治主義社会において、指導者の責任は極めて重い。その行動は国民に大きな影響を与える。今回の拘束取消し決定が、大統領職罷免の決定に影響を与えないことを願う」
キム・ドンヨン京畿道知事
「内乱の首謀者の拘束取消しという判断に強く遺憾の意を表する」
「常識外れであり、到底あってはならないことだ。手続きの厳格さを掲げる一方で、内乱という犯罪の重大性を見落としているのではないか」
朴智元(パク・チウォン)『共に民主党』議員
「天が崩れ落ちる思いだ」
「検察が起訴時に拘束期限の日付を混同するというミスを犯し、そのために今回の司法判断が下されたという報道がある。これが今の韓国検察の実態だ。むしろ、検察が意図的に誤りを犯したのではないかという合理的な疑念を抱かざるを得ない」
「検察・警察・高位公職者犯罪捜査処は、速やかに内乱首謀者である尹錫悦を再拘束し、社会から隔離するべきだ。また、憲法裁判所が迅速に弾劾を認める決定を下すことを切に願う」
ミン・ビョンドク『共に民主党』議員
「証拠隠滅の懸念、内乱勢力の台頭の懸念がある」
パク・ヨンジン元議員
「検察は即時抗告し、憲法裁判所は迅速に弾劾を認めるべきだ」
「裁判所の判断を見ても、内乱の主犯が大統領職を盾に抵抗したため、こうした事態が生じたのだ」
『共に民主党』議員のみなさんが好き勝手なことをおっしゃっており、尹大統領弾劾罷免⇒次期大統領選挙⇒李在明(イ・ジェミョン)大統領の道をゴリ押ししたい気持ちが伝わってきます。
たとえ尹大統領が釈放されても、早ければ11日、恐らく14日には憲法裁判所での判断が出ると思われます。もし弾劾訴追が「是」ということになれば、即時大統領職を罷免されます。
(吉田ハンチング@dcp)