ナニやってんだ、という話なのですが、マネーロンダリングでしょう。
2023年04月04日、韓国の金融監督院が先にご紹介した「海外への違法な外貨送金」についての調査報告書を公表しました。
上掲は2022年07月時点での記事です。このときは『ウリィ銀行』『新韓銀行』を調査した結果……というものだったのですが、
『新韓銀行』:20億6,000万ドル(約2兆5,000億ウォン)
計33億7,000万ドル(4兆1,000億ウォン)
※ただしこの中には通常の商取引も入っていると推測されます。
が明らかになっていました。
資金は韓国内の暗号資産取引所から、銀行の複数の法人・個人の口座を経由し、ある貿易会社の口座に集約。そこから海外の法人に送金されています。
↑あくまでも模式図です。送金側、受け側の法人は複数社。同じスキームを使って複数の法人がマネロンの疑いがある海外送金を行っていた可能性があります。
上掲のような概要だったわけですが、「他にも異常送金があるかもしれん」と金融監督院は捜査の手を他の金融機関にも広げました。
で、今回の公表なわけですが、「異常外貨送金の検査結果処理計画」によると、「122億6,000万ドル」な異常な外貨送金取引を見つけたとのこと。
約123億ドルというと少なく感じるかもしれませんが、2023年02月末時点で韓国の外貨準備高のDeposits(預金)が「267億ドル」しかないことを考えると、かなりの金額だといえます。
韓国金融当局からすれば「ナニやってんだ」となって当然です。
金融監督院は、捜査権を持つ関税庁、検察と関連検査資料を共有して調査を進め、外貨送金関連で多数の違法を犯した容疑者を起訴しました。
大邱地検は、『ウリィ銀行』前支店長を含めて8人を拘束起訴、1人を不拘束起訴。また『NH先物』職員1人を拘束起訴、4人を不拘束起訴しました。
また、金融監督院は「営業店を含め、該当金融会社と関連役職員に対し、関連法規の手続きに従って業務の一部停止、役職員免職など、できるだけ厳重な措置を適用する」と明らかにしています。
金額規模といい、やり口といいまあロクでもない話です。暗号資産回りを掘ると、もっとよくない話が発覚するかもしれません。
(柏ケミカル@dcp)