韓国「外国証券に資金流出125億ドル」にビビる「韓国内資産に投資してください、ウォン安が進むから」

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2025年03月07日、『韓国銀行』が「2025年01月の国際収支統計」を公表しています。昨日は遅れてしまいましたが「2024年12月」時点の金融収支についてご紹介しましたが、本日はその1カ月後の方にいきます。

韓国「経常収支が76%減少!」貿易収支が25億ドルしかない
2025年03月07日、『韓国銀行』が「2025年01月の国際収支統計」を公表しました。ちょっと信じられないような数字になっています。以下をご覧ください。貿易収支:25億40万ドルサービス収支:-20億5.860万ドル第1次所得収支:26億...

↑いくら何でも前月比で減り過ぎではないのかな「2025年01月の経常収支」についての先記事です。

経常収支は先に紹介しましたので、「金融収支」について興味深い点をご紹介します。これが今回の記事の本題につながってきますので、少しだけ金融収支の注目ポイントにおつきあいください。

異常なほど資金流出が起こった

金融収支の方でも当月は非常に面白いデータです。そもそも経常収支が「29.4億ドル」しかないという結果だったのですが、――ということは金融収支の方もそれだけ縮んでいるわけです(経常収支と金融収支はニアリーイコールになるので)。

実際、2025年01月の金融収支は「37億1,820万ドル」しかありません。


↑黄色のマーカーが2025年01月の金融収支です。「37億1,820万ドル」となっています。

ここまで金融収支が縮小した例は、「残酷な四月」でマイナスに転落した2024年04月を別にすれば、2024年01月「31億2,980万ドル」以来の小ささです。

しかも面白いのは、ここまで金融収支が縮小しているのに、大きく資産を増加させた項目があるのです。

証券投資」です。


↑証券投資は「128億4,620万ドル」で、資産の部は「125億5,180万ドル」のプラス。無茶苦茶です。

証券投資の資産の部が「125億5,180万ドル」もプラスになっています。無茶苦茶な増加といえます。

以下をご覧ください。証券投資の2021年01月から2025年01月までの証券投資の金額の推移です。

この期間中で最大の金額であることがお分かりいただけるでしょう。

これを上回る数字は、2020年12月の「143億4,270万ドル」までさかのぼらないとありません。

何が起こっているかというと、外国の証券市場への巨額のキャッシュアウトです。

証券投資は外国の証券市場、韓国の証券市場、その取引の収支を示していますから、プラスの数字はが外国証券の資産が増加したことを表しています。2025年01月はわずか1カ月で128.5億ドルも外国証券の資産が増えたのです。

資産が増加したということは、その分を購入したわけですから、キャッシュアウトになります。

異常なほどの資金投入があった――わけです。しかも内訳を見ると、(資産の部の)「125億5,180万ドル」のうち株式(Equity Securities)が「99億7,210万ドル」です。

ほとんど100億ドルを外国株式に突っ込んだのです。

これはトランプ大統領が就任し、トランプラリーが期待できるなどの情勢判断が影響したものと見られます。

「国内資産に投資してください、ウォン安が進むから」

これに符合する出来事があります。

外国株式市場に資金を投入するためには(向かう先が合衆国だと想定できるので)ドルがいります。ウォンからドルへの両替が行われますので、当然ウォン安を進行させます。

これを阻止するために、『韓国銀行』は国民年金公団を為替スワップ契約を結んだのですが、いくら韓国金融当局とはいえ、外国株式市場に資金を突っ込みたい全員の面倒は見きれません。

2025年03月09日、韓国の企画財政部は――「外貨供給改善のための追加対策」について07日に協議した――というプレスリリースを出しました。注目ポイントを以下に引用します。

(前略)
まず、出席者らは「外貨需給改善のための追加方策」について議論した。

昨年12月に発表した「外貨需給改善方案」は、銀行先物為替ポジション限度状況、外国為替銀行の外貨調達制限緩和、外国為替当局・国民年金との為替スワップ拡大などを主な課題として順調に推進中であり、その他にも市場の意見収集などを経て、今回の外国為替健全性協議会で健全性を損なわない範囲内で外貨需給改善のための追加方案を策定することになった。

今回の追加案は、昨年発表した外国為替規制緩和政策を補強する一方、より根本的な外国為替需給バランスのために国内資産への投資拡大を誘導するための課題で構成された。
(後略)

⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「外貨流動性協議会において 「外貨供給改善のための追加対策」発表」

最後の部分が今回の金融収支の証券投資の数字と関係しています。

つまり、海外への投資でウォン安が進行されては困るので(外為流動性に大きな影響を及ぼすので)、国内資産への投資が拡大するようにしよう――といっているわけです。

「韓国内資産に投資してください、ウォン安が進むから」という当局の悲鳴にも聞こえますね。

(吉田ハンチング@dcp)

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