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「韓国の外貨準備」ウォン安阻止でドルを溶かした。「4,129億ドル」3カ月連続の減少

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2023年11月03日、『韓国銀行』が「2023年10月末時点の外貨準備高」を公表しました。

以下をご覧ください。

2023年10月
外貨準備高:4,129億ドル(約62兆1,169億円)
(前月比:-12億ドル)

<<内訳>>
⇒Securities:3,700億ドル(約55兆6,628億円)
(証券類)
前月比:-26億ドル

⇒Deposits:189億ドル(約2兆8,433億円)
(預金)
前月比:+15億ドル

⇒SDRs:148億ドル(約2兆2,265億円)
(IMFのSDR(特別引出権))
前月比:増減なし

⇒IMF position:45億ドル(約6,770億円)
(IMFリザーブポジション)
前月比:-1億ドル

⇒Gold:48億ドル(約7,221億円)
(金)
前月比:増減なし

円換算は2023年11月03日「1ドル=150.44円」のレートで算出

⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「Official Foreign Reserves(October 2023)」

当月の注目ポイントは、Securities(証券類)が26億ドル減少し、現金たるDeposits(預金)が15億ドル増加した点です。

Securities(証券類)の売却によって得たお金と現金の増加額が合いません。

『韓国銀行』は10月の外貨準備高の減少について以下のように説明しています。


↑黄色の蛍光ペンの部分が外貨準備高の変動についての説明箇所

外国為替市場の変動性緩和措置(『国民年金』との為替スワップによる一時的な効果を含む)、その他の通貨の外貨資産の米ドル換算額の減少*に主に起因

*10月中、ドル指数は約0.1%下落したが、ドル指数に含まれていないその他の通貨(中国、オーストラリアなど)が対米ドルで下落。

⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2023年10月末の外国為替保有額」

「外国為替市場の変動性緩和措置」というのは、「為替介入を行った」という意味ですので、10月中には、ウォン安を阻止するために「ドル売りウォン買い」を行ったという告白です。

ドルウォンのチャートで確認してみましょう。以下をご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用/月足)。

10月は見事なコマ足で始値と終値がほぼ同じです。09月は陽線でウォン安が進行。

そのため10月はウォン安阻止に金融当局が動いたものと見られます。これでドルが溶けたわけです。Securities(証券類)を売却して入手した外貨を為替介入に使ったものと推測できます。

また、『国民年金』との締結している例の「為替スワップ」(韓国の表記に合わせます)でもドルを提供した模様です。

この為替スワップのおかげで、金融当局が保有する外貨が国民年金に移動して投資されることになるのですが、いつまでこの仕組みはイキなのでしょうか。

2022年08月~2023年10月の外貨準備高の推移を見ると以下のようになります。

2023年07月から08月・09月・10月と、これで3カ月連続の減少です。

もっとも4,000億ドル超あるのであれば、多少の危機でも問題はないはずです。

これは『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁も「韓国の外貨準備に問題はない」と明確に述べていらっしゃいます。

本当にあれば、ですが。

(吉田ハンチング@dcp)

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