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中国企業の無茶な資金調達のお話 これは無理ゲー!

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中国企業の発行した私募債のデフォルト(債務不履行)が急増しています。私募債というのは、特定の少数の投資家に引き受けてもらう社債です。

2017年と2018年を併せたデフォルト総額は267億元だったのですが、2019年08月にはすでに318億元(約44.5億ドル/約4,700億円)に積み上がりました。

私募債によって資金調達を行うのですが、元本どころか利息も払えませんというドボンな状況に陥る企業が増えているわけです。そもそも公募債も含めて中国企業の発行する社債のデフォルトは、2018年には「約1,200億元(約168億ドル/約1兆7,870億円)」を記録し、2017年の「約266億元」から約4.5倍にもなっているのです。

ちなみに2019年は、2018年より速いスピードでデフォルト総額が増えています。

年利11%なんて無理だろ!

この背景には、資金調達がけっこう無茶なやり方で行われてきたことがあります。

例えば、中国の大手不動産ディベロッパーとして知られる『恒大集団』が2018年08月に起債した「2年もの」10億ドルの社債はなんと利率11%になります。10億ドルというと1,000億円を超えますので、1年に110億円超の利息を支払わなければならないのです。

アメリカ合衆国と中国との対立によって景気が急速に悪化している現状です。また、不動産の過剰供給に陥っていますので、このような借金が完済できるでしょうか?

すでに中国の多くの不動産ディベロッパーが、利息を返すために借金をするという事態に陥っていると見るべきなのです。いや、不動産ディベロッパーのみならず中国企業の多くが、

社債発行 ⇒ 利息が支払えない ⇒ さらなる社債発行(他の手段でも資金調達)

という負のスパイラルに入っているとも考えられます。このスパイラルの中で利息も支払えなくなった企業からデフォルトしていくわけです。

これは無理ゲーです。クリアできません。

⇒『Money1』「『中国民生投資集団』また債務不履行! 今度は540億円で過去最高!」
https://money1.jp/?p=9375

⇒参照・引用元:『Bloomberg』「China’s Private Bond Defaults Climb to Record $4.4 Billion」
https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-09-04/china-s-private-bond-defaults-climb-to-record-4-4-billion

(柏ケミカル@dcp)