「空売り」のことを英語で「ショート・セリング(short selling)」(あるいは簡単に「ショート(short)」)といいますね。
投資関連のニュースを見ていると、
「ネイキッド・ショート(naked short)」
「ネイキッド・ショート・セリング(naked short selling)」
という言葉が登場することがあります。
「naked」は「裸の」という意味ですから、「naked short」「naked short selling」は両方とも「裸の空売り」となります。
空売りとは、例えば株式の場合、売りものになる株式を持っていなくても、よそから借りてきて売る行為です。つまり「貸し株」をしてもらうのが大前提。「株を借り受け」て売るわけです。
ところが、実は「貸し株」がなくても売ることができる場合があるのです。
この「貸し株なしで行う空売り」が「裸の空売り」=「ネイキッド・ショート」「ネイキッド・ショート・セリング」です。
ただし、この「ネイキッド・ショート」というシステムは「なくても売れる」ので、市場に出回っている株式枚数と関係なく、「あるよね!」「あるはず」という不確定なポジションでの売買になります。これが問題です。
例えば(ないのに)膨大な枚数を空売りできたりするので、それによって市場が不安定になるといった弊害が出るのです。そのため、現在では一般的に「空売り」は「株を借り受けて売る」ということになっています。
日本では、2008年(平成20年)10月30日から「ネイキッド・ショート」「ネイキッド・ショート・セリング」は禁止されています。
(柏ケミカル@dcp)