景気が良いのか悪いのかよく分かりませんが(笑)、アベノミクス以降、ニュースに経済用語が登場することが多くなりました。そこで、今さら調べるのも面倒くさい経済用語について、簡単な解説をしてみました。
■国債
政府がお金を調達するために発行する債券。ものすごく簡単にいうと借金するための券。「○年後に利子を○%付けて返しますのでこの券を買ってください」という借金の手法。
財務省によると、2016年度の国債発行残高は約931.6兆円となっています。つまり、国債によって調達した「借金」で、返済しなくてはならない金額が約931.6兆円もあるということです。
ただし、他の国と違って、日本の場合、日本国債を購入しているのは90%以上が日本人。「日本人が全員諦めたらこの借金はほとんど全部チャラになる」というむちゃな意見もあります(笑)。笑いごとじゃありませんけど。
■GDP
Gross Domestic Productの略で国内総生産のこと。これだけだと何だか分かりませんね。このGDPの金額が大きいほど経済規模が大きいとされ、一般的にはGDPによってその国の経済力を測ることが行われます。
実はそれほど単純ではないのですが、ニュースなどを見ると「GDP規模が世界○位の……」といった書き方で、その国の経済力を形容する場合にはよく使われます。
ちなみに、2015年の日本のGDPは4兆1232億ドル。世界的には1位アメリカ(17兆9470億ドル)、2位中国(10兆9828億ドル)に次いで第3位でした。
■国際収支
1国だけで何もかも完結している国はありません。今や世界中のどの国も、他の国と何らかの経済的なやりとりをしていますね。国際収支は、その国が国際間でどのような経済状態にあるかを示します。
国際収支は
・経常収支
・資本収支
・外貨準備の増減
の三つの要素から構成され、この三つを分析することでその国の経済状況を読むことができるのです。
■経常収支
経常収支は以下の四つからなります。
●貿易収支
●サービス収支
●所得収支
●経済移転収支
・「貿易収支」は、物の輸出・輸入によって生じる収支です。
・「サービス収支」は、国の間で取り引きされるサービスの収支です。例えば、旅行、保険、特許使用料などです。
・「所得収支」は、国を超えてやりとりされる雇用者報酬や投資の収支です。例えば、国を越えてやって来る出稼ぎ労働者の報酬などはこれに当たります。
・「経済移転収支」は、国への無償援助や国際機関への拠出金など、その支払いの収支です。例えば、ODA(政府開発援助)のうちの現物援助はこれに当たります。
■資本収支
資本の流入と、流出との収支です。
簡単にいうと、その国によその国から資本が投下されれば資本流入、よその国に資本を投下すれば資本流出です。
なぜ資本を投下するかというと、それはそれ以上もうかるからなわけで、つまり、資本流入は、対外債務の増加(海外に返済しなければならないお金の増加)、資本流出は対外債権の増加(海外から返済してもらうお金の増加)を示します。
この資本収支がプラスの場合は資本流入の方が多い、マイナスの場合は資本流出の方が多いことになります。
■外貨準備
簡単にいうと、その国の金融当局が用意している外貨の貯金のこと。最も世界で信用のあるのはドルですので、多くの場合ドル建てで持っていることが多いです。
何のために外貨を持っておくかというと、外国に借りたお金の返済や貿易のためです。
海外とお金のやりとりをすると、その時々によって、自国通貨と海外の通貨の間でレートが変化しますね。この変動が急激な場合には、この外貨準備を用いて安定を保つのです。外貨準備高というと、外貨準備の「額」になります。
外貨準備高が小さくなってくると「あの国危なくないか!? 貿易してて大丈夫!?」と世界的にいわれます(笑)。ただし、先進国ではあまり外貨準備高を積み上げない傾向にあります。
ちなみに日本は外貨準備高が世界一の水準といわれています。
(高橋モータース@dcp)