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30歳代から投資することで老後難民になるリスクを減らす!

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皆さんは老後難民という言葉をご存じでしょうか。簡単にいえば、退職後年金の他に自分の資産を取り崩して生活を続けていく中で、その資産が底を尽き、生活に窮するようになる人のことです。実際、老後に生活が破綻し自殺する人も増加傾向にあります。しかし、実は老後難民の本番はこれからなのです。若い世代こそ注意しないといけません!

『フィデリティ退職・投資教育研究所』所長の野尻哲史さんにお話を伺いました。野尻所長は、以前から老後難民になる危険性について警鐘を鳴らしていらっしゃいます。

■若い世代にこそ深刻な危機である!

――すでに老後難民となっている人は増加しているのではないでしょうか?

野尻所長 今はまだ年金を十分に受け取れる人も多いので、それほど深刻ではないと思いますが、私どもで「退職後の老後資金として用意できている金額は?」というアンケートを行ったところ、

●「老後資金を全く準備していない」
・50代男性:32.1%
・50代女性:28.6%

という結果が出ています。これらの人はこれから先「老後難民」になる可能性は高いのではないでしょうか。ただし、老後難民の問題は、ここに来て年金受給世代入りした「団塊の世代」などよりも、むしろ若い世代にとって深刻なのです。若い人たちにはこの点を理解していただきたいです。

――なぜでしょうか?

野尻所長 人口動態の予測データを見てみましょう。

●65歳以上の人口
2010年 2.948万4,000人(1,419万4,000人)
2015年 3,395万2,000人(1,645万8,000人)
2020年 3,612万4,000人(1,879万)
2025年 3,657万3,000人(2,178万6,000人)
2030年 3,684万9,000人(2,278万4,000人)
2035年 3,740万700人(2,245万4,000人)
2040年 3,867万8,000人(2,223万)
2045年 3,856万4,000人(2,256万7,000人)
2050年 3,767万6,000人(2,384万6,000人)
2055年 3,625万7,000人(2,401万人)
2060年 3,464万2,000人(2,336万2,000人)

*……( )内の数字はそのうちの75歳以上の人口です。

これを見ていただくと分かりますが、65歳以上の人口は2020年くらいまで劇的に増加し、その後高止まりすると考えないといけません。しかもそのうちの75歳以上の人口はどんどん増え続けます。

この老齢者が介護などのサービスを受けるわけですが、サービスを受ける人(ニーズ)が多くて、しかしサービスを提供する側の人口は少ない、つまり需要供給の関係からいっても、そのサービス価格は上がる可能性が高いのです。今の若い世代、例えば2015年に23歳の新入社員が65歳になる2060年ごろには、現在よりも老後に受ける各種サービスの価格は高くなっているでしょう。つまり、そのころの老後の生活は現在よりもっとお金が掛かることが予測できます。

また、人口動態予測から分かるとおり、この傾向はそう簡単に変わりません。自分の老後を支えてくれる人口がいないわけです。ですから若い世代にとってこそ「老後難民」の問題はより深刻なのです。

――なるほど。

野尻所長 65歳で退職するとして、その後30年も生きることを考えないといけない時代なのです。老後の資金について、あらかじめしっかりした計画を立てておかないといけません。しかも「老後難民」の問題が怖いのは、気が付くのが遅いと「自分の年齢」「資金」などの理由でリカバリーショットが打てないとことです。

■老後にいくら要る!? 60歳までに「5,640万円」そろいますか!?

――なんだか背筋が寒くなってきました。具体的に老後にいくら要るかを計算する方法はあるのでしょうか?

野尻所長 そうですね。以下の式に数字を当てはめてみましょう。退職後に必要な生活資金の総額をまず計算して、そこから支給される年金の総額を引けば、自分で用意しないといけない金額が計算できます。

●退職後に自分で用意する生活資金総額の算出方法

退職直前年収 × 生活費レベル × 生活年数 = 退職後に必要な生活資金総額

月額年金受領額 × 12カ月 × 受給年数 = 退職後の年金受取総額

自分で用意する生活資金総額 = 退職後に必要な生活資金総額 - 退職後の年金受取総額

――なるほど。生活費レベルというのは何ですか?

野尻所長 働いていたときの何パーセントぐらいの費用で生活するかということです。実際に計算してみましょう。

退職直前年収:600万円
生活費レベル:68%
生活年数:35年(60歳で定年で95歳まで生きる)

だとすると、
●退職後に必要な生活資金総額:1億4,280万円

次に年金ですが、
月額年金受領額:24万円
受給年数:30年(65歳から支給開始)

だとすると
●退職後の年金受取総額:8,640万円

ですので
必要な「1億4,280万円 」のうち「8,640万円」は年金でもらうとしても、

●「5,640万円」は自分で用意しないといけない!

となります。
60歳の段階でこの全額あるのがベストですが、実際にはここまでなくても何とかするプランが立てられます。それぞれの年代でお金とどう向き合っていくかを考えることが必要になるのです。

■僕らの上の世代は何とかなったけど……

――今まで日本人はこのような老後の設計、また投資について無頓着だったような気がするのですが。

野尻所長 そうでしょうね。それは例えば、銀行に預金したら十分な利息が付いたりしましたから。また年金でも十分老後をまかなえるという設計だったわけです。ですから、老後の設計をそこまで深刻に計算しなくても良かったかもしれません。でも、現在はそうではありません。銀行にお金を預けていても増えないですから(笑)。若い人ほど、また若いうちに老後について考えておくべきだと思います。

■20代は収入増のルートを確保! 30代では投資を開始せよ!

――若いサラリーマンにアドバイスをお願いできますでしょうか。

野尻所長 30代の人には投資準備を始めましょうと申し上げたいですね。投資をスタートさせる時期です。

20代の人にはまず自分の将来の収入を増やす投資をしましょうと申し上げたいです。収入が上がらないと投資はできません。正規雇用でなければ将来の収入も上がりにくい環境です。ですから収入が上がるプロセスに自分を乗せるようにしましょう。

――30代には投資を開始していないといけないのですね?

野尻所長 はい。しかも早く始めることです。95歳まで生きる、そのための資金が必要なのですから時間は限られています。できるだけ早く、自分の計画を立て、そのために動きだすことですね。英語ではtax conscious(タックス・コンシャス)というのですが、税金などお金の仕組みについてよく知ることです。知識がなければ妥当な計画を立てることはできません。若い皆さんは、ぜひ「NISA」「DC」など、非課税で投資ができる仕組みについて、その知識を身に付けることをお薦めします。そして実際に投資を行うことです。

――ありがとうございました。

今回取材した野尻哲史さんの著書が刊行されています。老後難民にならずに済む方法について書かれています。興味にある人はぜひ手に取ってみてください。人生を賢く生きるためのヒントが満載です!

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『貯蓄ゼロから始める 安心投資で安定生活』(刊:明治書院)

(髙橋モータース@dcp)

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