2026年09月23日、ウクライナのゼレンスキー大統領自身が国連総会演説で、
「最近、北朝鮮の戦争捕虜2人を大韓民国に送った」
――と明らかにしました。
韓国は秋夕の連休に入っており、韓国大統領に成りおおせた李在明(イ・ジェミョン)さんは(よせばいいのに)外遊に出掛けていmせんが、本件は韓国でも波紋を広げています。
韓国の大統領府、外交部がまったく明らかにしていなかったからです。

↑日本の高市首相はウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との会談を行っています。
この2人は2025年01月、ロシア西部クルスク州でウクライナ軍に生け捕りにされた北朝鮮軍兵士です。
その後、2人はウクライナ国内で収容され、少なくともひとりはかなり早い段階から韓国行きを明確に希望していました。
もう一人も当初は態度を決めかねていましたが、その後韓国行きの意思を示したとされています。韓国政府も従来から、本人が韓国行きを希望するなら受け入れるという立場を表明していました。
2026年07月の李在明(イ・ジェミョン)大統領とゼレンスキー大統領の首脳会談でも、この2人の処遇が議題になりました。両首脳は「本人の自由意思」「国際法」「人道主義原則」に従って解決することで一致しています。
2026年09月24日、『国民の力』のユ・ヨンウォン議員が国会で記者会見を開催し、
「2人は数日前、無事に大韓民国に到着したと把握している」
――と明らかにしました。
時系列で整理すると、
2025年01月 クルスクで生け捕り
⇒ ウクライナ国内で約1年8か月収容
⇒ 韓国行きの意思を表明
⇒ 韓国・ウクライナ両政府が水面下で協議
⇒ 2026年09月20~21日頃とみられる時期に韓国到着
⇒ 09月23日 ゼレンスキー大統領が国連総会で初めて公表
――という流れです。09月24日、韓国政府は事実を否定はしていません。
『聯合ニュース』は、外国の戦争で捕虜になった北朝鮮兵が韓国へ移送されたのは前例がないと報じています。
今後は通常の脱北者の場合とは少し事情が異なり、韓国当局による身元・参戦経緯などの調査、帰順手続き、保護・定着教育などが行われると見られます。
問題は、李在明(イ・ジェミョン)さんの反応です。
李在明(イ・ジェミョン)さんは「ウクライナで捕虜となった北朝鮮兵士2人の韓国移送は、非公開と約束していたのにゼレンスキー大統領が一方的に公開したのは遺憾」と表明したのです。
以下は李在明(イ・ジェミョン)さんの『X』への投稿です。全文を和訳します。
国政は国家と国民のために行うものであって、政権と為政者の利益や人気のために行ってはなりません。
北朝鮮捕虜の韓国国内への送還問題は、外交、安全保障、朝鮮半島情勢に大きな影響を及ぼす、非常にデリケートな問題です。
南北関係がどうなろうが、誰かが死のうが、国益が損なわれようが意に介さず、
成果をひけらかすため、捕虜送還の事実を銅鑼や太鼓を打ち鳴らして踊りながら、世界中に宣伝したであろう彼らの立場からすれば、韓国政府が非公開とするために払った努力が理解できないばかりか、何か問題になることでもあるのかと思うのでしょう。
誰かの生命、国家安全保障などの国益を考えれば、これほど残忍で無責任であってよいはずがありません。
国政支持率の挽回に明らかに役立つ北朝鮮捕虜の韓国国内への送還の事実を公表しようという内部の主張が、なぜなかったと思うのですか。
しかし、公表することで生じるさまざまな問題を考えれば、非公開とすることがすべての面で妥当であり、そのように合意しました。
自分のささやかな利益のために、誰かの生命と国益、安全保障を害する人を、殺人者や売国奴と呼びます。
妥当かつ正当な非公開措置を非難するのは正しくありません。
非公開の合意を破って公表したウクライナ側にどのような事情があるのかは分かりませんが、非常に残念です。
数え切れないほどの人々が死亡したり負傷したりし、あらゆるものが破壊される反人倫的な戦争が一日も早く終結することを、切に願います。
⇒参照・引用元:『X』李在明(イ・ジェミョン)公式アカウント
「非公開で」と合意していたのであれば、李在明(イ・ジェミョン)さんのいう「ゼレンスキー大統領の公表は遺憾」というのも分からないではありません。
しかし、韓国というのは脱北者を北朝鮮に送り返したりする国です。
2019年11月07日、北朝鮮漁民2人の強制送還事件が発生しました。文在寅政権が、亡命意思を示していた2人を板門店から北朝鮮側へ引き渡した事件です。
2人は目隠しをされ、身体を拘束された状態で板門店まで連行されています。
北朝鮮へ送られると分かった後、少なくとも1人は軍事境界線を越えることを拒み、地面に膝をつき、横へ這うように逃れようとし、頭を地面に打ちつけようとするような行動まで取っています(写真と映像が残っています)。

その後、係員によって身体をつかまれ、北朝鮮側へ引き渡されました。
さらに2023年に明らかになった検察の起訴内容では、より深刻な経緯が記されています。
↑『聯合ニュース』がYouTubeに上げた動画です。
送還前日、当局は2人が北送を知れば激しく抵抗すると予想し、警察特攻隊、手錠、目隠し、拘束具などを用意しました。
その一方、本人たちには北朝鮮へ送ることを知らせず、「別の場所へ移動する」と説明した――とされています。
板門店で目隠しを外され、北朝鮮兵を見て初めて状況を悟り、激しく抵抗した、というのが検察側の認定です。
翻って、今回の北朝鮮軍兵士2人の韓国移送問題。
ゼレンスキー大統領が国連総会で世界に公表してしまったため、韓国が2人の存在を秘密裏に扱える余地は大幅に小さくなりました。
非公開合意が実在したなら、外交上、李在明(イ・ジェミョン)さんが不満を持つのには理由があります。
しかしながら、これは良かったともいえます。
李在明(イ・ジェミョン)さんが何を言おうが、公表された結果として、2人の所在と韓国への移送が国際的に知られ、本人たちの意思に反する再移送を行う政治的・外交的ハードルが非常に高くなった――という効果が確かにあるからです。
(吉田ハンチング@dcp)






