韓国大統領に成りおおせた李在明(イ・ジェミョン)さんは、国連総会で愚にもつかない演説を行い、その後メキシコに回りました。
李在明(イ・ジェミョン)さん外遊の裏側で、日米韓外相会談が行われています。

以下に韓国の外交部が出した本件についてのプレスリリースを全文和訳します。
日米韓外相会合(09月21日)結果
趙顕(チョ・ヒョン)外交部長官は、第81回国連総会ハイレベルウイーク出席のためアメリカ合衆国・ニューヨークを訪問した機会に、Marco Rubio(マルコ・ルビオ)国務長官および茂木敏充日本国外務大臣と09月21日(月)、日米韓外相会合を行い、
△朝鮮半島問題
△地域・グローバル情勢
△経済安全保障および実質的協力――などについて協議し、共同声明を採択した。
今回の日米韓外相会合は、07月のNATO首脳会議およびASEAN関連閣僚会議の機会に開催されたのに続き、今年3回目となる会合である。
3カ国の外相は、対北朝鮮政策に関連し、北朝鮮の脅威に対する確固たる抑止態勢を維持する一方、対話と外交を通じた朝鮮半島の平和・安定の維持および非核化目標※の実現に向け、引き続き緊密に連携していくこととした。
※この言い回しが重要で本記事後段に影響しますので見逃さないでください:引用者注
3カ国の外相は、北東アジア、中東など主要な地域・グローバル情勢について意見を交換し、国際情勢の不確実性が増大する状況において、3カ国間の意思疎通と連携をさらに強化する必要があるとの認識で一致した。
3外相は、インド太平洋を含む世界全体における航行および上空飛行の自由と、国連海洋法条約(UNCLOS)に反映された国際法の遵守、海洋安全保障の強化が重要であることを強調した。
また、国境を越える犯罪への対応、災害救援および人道支援など、3カ国が実質的に貢献できる分野における協力を引き続き拡大していくこととした。
3カ国の外相は、世界経済の変動が続く状況において、エネルギーおよび経済安全保障分野での3カ国間の協力がこれまで以上に重要であるとの認識で一致した。
3外相は、半導体、人工知能(AI)、量子、デジタルインフラ、バイオなどの重要・新興技術分野における実質的協力を強化する一方、先端技術の保護、サプライチェーンの多角化および強靱性の向上、経済的威圧への対応などにおいて連携を深めていくこととした。
特に3カ国の外相は、前回の韓米日外相会合(07月07日)の機会に締結された「日米韓小型モジュール炉(SMR)協力覚書(MOC)」を効果的かつ互恵的に履行するための実施計画が策定されたことを歓迎した。
3カ国の外相は、日米韓協力が3カ国の国民に実質的な恩恵をもたらす成果につながるよう、分野別・各レベルの協議体をさらに活発に稼働させることとした。
3カ国の外相は、今後も主要な多国間会議の機会を含むさまざまな機会に、可能な限り頻繁に会い、緊密に意思疎通を図りながら、韓米日協力の地平を引き続き拡大していくこととした。
添付:
1.日米韓外相会合共同声明
2.日米韓SMR協力覚書・対外説明資料(Fact Sheet)
3.会合写真
以上。
⇒参照・引用元:『韓国 外交部』公式サイト「日米韓外交長官会議(9.21)結果」
「朝鮮半島問題」が一番上に挙がっていることが注目されます。また、「朝鮮半島の平和・安定の維持および非核化目標」と述べられています。
「北朝鮮の非核化」ではありません。
韓国メディアも気になったらしく、2026年09月24日に行われた外交部の定例記者ブリーフィングでも以下のようなQ&Aがありました。同様に全文和訳します。
韓国ではホルムズ海峡への派兵問題がどうなるのか――が大変に注目されており、今回のプレスリリースでも述べられている「航行および上空飛行の自由」にも質問がありました。
今回の記者ブリーフィングは長いものですが、重要です。
<質問>
本日配布された日米韓共同声明では、ホルムズ海峡が直接明記されておらず、「全世界における航行の自由と海洋安全保障が重要だ」という内容が盛り込まれています。
この文言にはホルムズ海峡も含まれると理解してよいのか、ご説明をお願いします。(『クッキーニュース』キム・ミギョン記者)
<回答>
韓国政府は、ホルムズ海峡を含め、世界各地の海峡における通航の自由と船舶の自由な航行の保障について、引き続き国際社会と緊密に協力してきました。<質問>
それでは、日米韓共同声明で発表された「全世界における航行の自由と海洋安全保障」、ここにはホルムズ海峡も含まれていると理解してよいのでしょうか。
(『クッキーニュース』キム・ミギョン記者)<回答>
はい。それは、われわれが一貫して堅持している立場です。<質問>
日米韓の外相がホルムズ海峡問題を協議したと報道されています。詳しい内容はすぐには明らかにしにくい部分があるとは思いますが、米韓外相会談で、わが政府が堅持してきた実質的な貢献に関連して、具体的な貢献方法や範囲についても意見交換があったのか、可能な範囲でご説明をお願いします。
(『クッキーニュース』キム・ミギョン記者)<回答>
これまで何度も説明してきたとおり、わが国民の保護と経済的利益の擁護、そしてホルムズ海峡における自由な航行の早期回復と中東の平和と安定のための貢献策について国際社会と緊密に協議中です。しかし具体的な貢献策についてはまだ決定されたものはない、という政府の立場を改めて申し上げます。
<質問>
では、具体的な貢献策についてまだ決定されたものがないとしても、今回の会談で協議や意見交換があったのかについても、お尋ねするのは難しいでしょうか。
(『クッキーニュース』キム・ミギョン記者)<回答>
3カ国の外相の間で、国際航路における自由な航行と、それを通じた関係国間の協力の必要性について、互いに一貫した立場と共通認識を持っていたものと承知しています。<質問>
非核化に関連して、あと2点お尋ねしたいのですが。大統領は『NYT』(The New York Timesのこと:引用者注)のインタビューで、「非核化だけに固執すれば何も得られない」という主旨で、核開発の中断と米国による対北朝鮮制裁の緩和を交換する段階的アプローチに言及されました。
しかし、日米韓共同声明を見ると、北朝鮮の完全な非核化への意思を再確認する内容があります。
政府が構想する北朝鮮核問題への段階的アプローチにおいて、「完全な非核化」を依然として最終目標として維持しているのか、どのような段階的アプローチを構想しているのか、外交部の立場をご説明ください。
(『クッキーニュース』キム・ミギョン記者)<回答>
韓国政府は、朝鮮半島の完全な非核化という目標を維持しつつ、対話と外交を通じて、中断、縮小、廃棄へとつながる段階的・実用的な非核化政策を一貫して推進しています。日米韓外相会談でも、朝鮮半島の完全な非核化について、3カ国の外相が互いに共通認識を形成し、発表したところです。
<質問>
では、この完全な非核化という原則と、大統領が言及した段階的アプローチは、互いに相反するものではないと考えている、と理解してよいのでしょうか。
(クッキーニュース、キム・ミギョン記者)<回答>
完全な非核化という目標を達成する過程において、先ほど申し上げた段階的・実用的な非核化の段階を通じ、非核化政策を一貫して推進しているということを申し上げます。<質問>
最後に、もう1点だけお尋ねしたいのですが。日米共同声明では「北朝鮮の完全な非核化」と明記されていますが、外交部の報道資料を見ると「朝鮮半島の非核化」と表現されています。
この2つの表現について、政府は「北朝鮮の非核化」と「朝鮮半島の非核化」を同じ意味で使用していると理解してよいのか、それとも表現を変えた理由があるのか、お尋ねします。
(『クッキーニュース』キム・ミギョン記者)<回答>
同じ表現だと考えています。<質問>
日米韓外相共同声明では、北朝鮮の完全な非核化とともに、「核・弾道ミサイル計画のための収益創出への支援を禁止することへの確固たる意思を再確認した」と明らかにしました。しかし、最近政府が推進している、北朝鮮の金正恩の重点事業である平壌・江東郡病院に93億ウォン相当の医療機器を支援することと、この2つは両立するとお考えなのか、気になります。
(『イートゥデイ』キム・ソヨン記者)<回答>
今おっしゃった支援事業については、所管部署である統一部にお問い合わせになるのがよいと思います。われわれは、先ほど申し上げたとおり、非核化に対する立場を堅持することに何ら変わりはありません。
その過程において、朝鮮半島の平和共存と南北対話のためにできるさまざまな方策を、国際社会とともに模索しているということを申し上げます。
<質問>
これは統一部の所管ではありますが、今、日米韓外相共同声明もそうですし、外交部が推進する政策の方向性には、北朝鮮の核・弾道ミサイル開発のための収益創出と支援を禁止するという部分があるではありませんか。それと、統一部が現在推進しているその政策が互いに両立できるとお考えなのか、外交部の立場をお聞きしたいです。
(『イートゥデイ』キム・ソヨン記者)<回答>
統一部が推進しているその事業に関して、私から特に申し上げることはありません。ただ、われわれの一貫した非核化目標の下で、人道主義的な政策やさまざまな考慮事項については、関係部署間、また国際社会と緊密に協議しているということを申し上げます。
<質問>
本来、北朝鮮政府が支援すべき医療機器を韓国が支援する一方で、北朝鮮は北朝鮮軍人を派兵して数十兆ウォンを稼ぎ、核とミサイルを開発しています。韓国政府は、北朝鮮がそのような核・ミサイル開発を行っていることを知りながら医療機器を支援して、国際社会に対北朝鮮制裁への協力を求めることができるのでしょうか。
(『イートゥデイ』キム・ソヨン記者)<回答>
先ほど申し上げたとおり、段階的・実用的な非核化アプローチについて、改めてわれわれの立場に変わりはないということを申し上げ、そのために関係国と引き続き緊密に意思疎通を行っています。<質問>
それはあまりにも原則論的なお話です。現在、統一部が推進しているその政策自体が、今後、外交部が対北朝鮮協調のため国際社会に求める姿勢や態度に影響を及ぼさないとお考えなのか、その部分について明確な立場をお願いします。
統一部の政策ではありますが、北朝鮮の核・ミサイルに資金が流れ込むのを防止するため、国際社会に協調を要請しなければならないわけですが、その部分に影響があるとお考えなのか、ないとお考えなのか。
(『イートゥデイ』キム・ソヨン記者)<回答>
その事案については、私が現在まで把握している情報が限られているため、今おっしゃった統一部の政策について特にコメントすることは……。<質問>
統一部ではすべて準備を終えており、北朝鮮側から立場が示されさえすれば、すぐに推進できるという段階まで来ているのに、外交部はそれについて把握していることがないというのであれば、では今どうなっているのですか。
(『イートゥデイ』キム・ソヨン記者)<回答>
その事案については、関係する外交・安全保障部門間で協議が行われるものと考えています。<質問>
これまでは協議がなかったということですか。
(『イートゥデイ』キム・ソヨン記者)<回答>
それについては、私から特に申し上げることはありません。<質問>
つまり、わが国の外交部が国際社会に対北朝鮮制裁のための協調を要請する上で影響を及ぼし得る政策を統一部が推進しているのに、事前に外交部との協議もなく、外交部には何の立場もないとおっしゃるのか。
(『イートゥデイ』キム・ソヨン記者)<回答>
統一部であれ外交部であれ、わが国の朝鮮半島政策と国際社会との協調、非核化政策については、すべて同じ方向に進んでいると考えています。<質問>
そして最近、北朝鮮が埋設した可能性があると疑われている地雷が爆発し、わが軍の将兵が重傷を負っている状況で、北朝鮮に医療機器を支援するということが、国民世論に受け入れられるとお考えですか。
(『イートゥデイ』キム・ソヨン記者)<回答>
私が言及する事項ではないと思います。<質問>
国連安保理の対北朝鮮制裁委員会から制裁免除の承認を受けたということですが、そこに含まれている免除品目と、現在準備されている医療機器はすべて一致しているのでしょうか。(イートゥデイ、キム・ソヨン記者)<回答>
それについては、私から特に申し上げることはありません。<質問>
それについて外交部が何の関心も持たず、今、どのような機器が北朝鮮に入るのかについて詳細な内容を検討していないのであれば、後になって対北朝鮮協調のための国際社会への要請を、どのように行うおつもりなのですか。
(『イートゥデイ』キム・ソヨン記者)<回答>
その事案については、先ほども説明したとおり、NSCや関係機関間の協力チャンネルを通じて、わが国の外交・安全保障機関の間で議論するものと考えています。<質問>
現在、野党からは、そのような医療機器が生物・化学兵器の生産・開発に転用される懸念があるとの主張が出ています。そのような部分を考慮し、統一部が推進するその政策について、外交・安全保障の観点から意見を述べる考えはありますか。
(『イートゥデイ』キム・ソヨン記者)<回答>
おっしゃった事項を含め、そのような制限や内容があるのであれば、それについてわれわれの協議チャンネルと関係機関の間で緊密に意思疎通を行うものと考えています。<質問>
電子渡航認証制度についてお尋ねします。最近、観光活性化のためのK-ETA電子渡航認証制度の免除対象国拡大を求める声と、不法滞在防止という目的との間で意見の相違が引き続き提起されています。主要な訪韓ターゲット国とのビザ相互主義交渉において、外交部が堅持している明確な基準について、一度お尋ねします。
(『ソウルニュース通信』イ・ミンヒ記者)<回答>
その事項については確認してお答えします。<質問>
それでは現在、他国との外交的摩擦や相互報復措置なしに、円満に調整が進められている事案もあるのか、確認していただければ幸いです。
(『ソウルニュース通信』イ・ミンヒ記者)<回答>
はい、そういたします。ご質問がなければ、以上でブリーフィングを終わります。終わり。
⇒参照・引用元:『韓国 外交部』公式サイト「대변인 정례브리핑(9.22)」
李在明の国連総会演説と矛盾するだろ!――という指摘
非常に白熱したやりとりが展開しています。
一番面白いのは――国連総会演説で李在明(イ・ジェミョン)さんが述べた、
「このまま非核化を推進しても動きがないので、北朝鮮への制裁を緩和してICBM開発などをストップさせる取引を行うべきだ」が、
日米韓3カ国外相会談の「非核化を推進する」と矛盾するじゃないか!
――という記者からの指摘です。まったくそのとおりですが、外交部の報道官は、
「朝鮮半島の完全な非核化という目標を維持しつつ、対話と外交を通じて、中断、縮小、廃棄へとつながる段階的・実用的な非核化政策を一貫して推進しています」
――と、やる気があるのかないのか分からない回答で逃げました。
「朝鮮半島の非核化」なのか、それとも「北朝鮮の完全な非核化」なのかを問うたのも鋭い質問で――、
⇒参照・引用元:『日本国外務省』公式サイト「」
上掲のとおり、日本国外務省が公開したプレスリリースでは「……国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化に向けての三か国のコミットメントを再確認しました」――と書かれています。
外交部は「同じ意味だ」と回答しました。
同じではありません。記者がここを突いたのは重要です。
09月21日の日米韓外相会合について、日本外務省は、三者が国連安保理決議に従った「北朝鮮の完全な非核化」へのコミットメントを再確認した、としています。
英語版でも“the complete denuclearization of North Korea” です。
つまり対象は明確に「North Korea」です。
ところが、韓国外交部が翌22日に出した会合結果の報道資料では、
「한반도 평화·안정 유지 및 비핵화 목표 실현」
「朝鮮半島の平和・安定の維持および非核化目標の実現」
としており、「北朝鮮の完全な非核化」という共同声明の表現をそのまま使っていません。
この違いは、言葉が指す意味を考えると無視できません。
「北朝鮮の完全な非核化」なら、非核化の主体・対象は北朝鮮です。北朝鮮の核兵器、核計画、関連施設等をなくすことを指します。
これに対して「朝鮮半島の非核化」は地理的概念です。
北朝鮮だけではなく、朝鮮半島全体を「非核化」するという表現になります。そのため、アメリカ合衆国の核戦力や拡大抑止などの議論に結び付ける余地を持つ表現です。
つまり合衆国に対して核兵器の運用・配備を制限できるようにわざと文言を変更している――と考えられるわけです。
反米・親中・親北の李在明(イ・ジェミョン)政権は、中国・北朝鮮のために「合衆国に核兵器資産を朝鮮半島から除こうとしている」――とも考えられます。邪推でしょうか?
※念のために付記しますが、合衆国は現在、韓国領内に核兵器を配備しておりません。あくまでも公表情報に基づけば、ですが。ただし核兵器運用能力を持つ合衆国の戦略資産を韓国に一時的に展開することはあります。
記者の質問は核心を突いています。単なる「言い換え」なら、なぜ共同声明と同じ「北朝鮮の完全な非核化」をそのまま使わなかったのかという疑問が残ります。
統一部がやってることなので外交部は知らない?
もう一つ、今回のQ&Aで重要なポイントがあります。
韓国の統一部が行っている「北朝鮮への医療機器支援」です。北朝鮮の金ちゃんファミリー三代目・金正恩さんの重点事業である平壌・江東郡病院に93億ウォン相当の医療機器を支援する――を進行しています。
日本ではあまり知られていませんが、本当にやっています(やろうとしています)。
記者が指摘するとおり、「北朝鮮が核・ミサイル開発を行っていることを知りながら医療機器を支援して、国際社会に対北朝鮮制裁への協力を求めるのか?」はまさに核心部分です。
外交部は「それは統一部がやっていることなので、そっちに聞いてください」とかわそうとしましたが、記者は「あまりにも無責任だ」と食い下がりました。
統一部が行っていようが、国際的に外交官関係で責任を取らなければならないのは「外交部」なのだから当然のことです。
(吉田ハンチング@dcp)









