2026年10月02日、韓国の国家データ庁から待っていたデータ、「2026年09月消費者物価動向」が公表されました。
世界的にインフレ率の上昇が問題になっていますが、韓国はどうなっているのか見てみましょう。まず、全般状況は以下です。
2026年09月 消費者物価動向(前年同月比)
消費者物価:2.9%上昇
-生活物価指数:2.5%上昇
-生鮮食品指数:3.3%下落農畜水産物:-0.3%下落
-国産牛肉:6.6%上昇
-豚肉:6.9%上昇
-リンゴ:9.2%下落
-コメ:15.2%下落工業製品:4.2%上昇
-灯油:20.0%上昇
-ガソリン:11.8%上昇
-食用油:12.3%上昇
-洗剤:4.9%下落電気・ガス・水道:0.4%上昇
-上水道:2.6%上昇
-都市ガス:0.3%上昇
-地域暖房費:0.2%下落サービス:2.7%上昇
-保険サービス料:13.4%上昇
-海外団体旅行費:19.3%上昇
-幼児教育料:26.9%上昇
-保育施設利用料:18.5%下落
『韓国銀行』の目標インフレ率は対前年比2%です。したがって、当月の2.9%は目標を0.9ポイント上回っています。
先にご紹介したとおり、『韓国銀行』自身も09月10日の金融政策報告書で、インフレ率が「相当期間、目標水準を上回る」との見通しを示しています。
前年同月比は――、
05月:3.1%
06月:3.2%
07月:2.8%
08月:3.1%
09月:2.9% ← 今ココ
――ですから、3%前後で上下しており、『韓国銀行』の説明「なかな下がらないですよ」そのママが現実となっています。
石油類上昇が異常な値。ただし……
最大の異常値は石油の「+14.8%」です。09月の数字を品目性質別に分解すると、異常さが明らかになります。
石油類はCPIのウエートがわずか46.6/1,000しかありません。つまり「4.66%」しかないのです。
にもかかわらず、石油類だけでCPIを「0.56ポイント」も押し上げています。単純に寄与度で考えると約19.4%。つまり、09月の2.9%というインフレ率の約5分の1が石油類だけから発生していることになります。
実際、品目を見ると――、
-軽油:+20.0%
-灯油:+19.5%
-ガソリン:+11.8%
――です。これは明らかに現在の韓国インフレの大きな弱点です。韓国の場合、ウォン安と原油高が重なると、輸入エネルギー価格を通じてインフレ率にかなり強く伝播する構造になっています。
コアインフレ率まで高水準なのはなぜだ? 実は……
面白いのは、食料とエネルギーを除いたコアインフレ率(日本でいうコアコア)が「2.8%」と高い水準にとどまっていることです。

上掲は2026年の01~09月のコアコアの推移です。08月の「3.4%」よりは下がりましたが、コアコアなのに2.8%もあるというのは異常です。
「中東情勢 ⇒ 原油高 ⇒ 韓国CPI上昇」というだけなら、エネルギーを除いたコアCPIはもっと低くなるはずです。ところが実際には2.8%あります。
つまり現在の韓国インフレは、石油ショックだけではありません。
事態の核心は「個人サービス」
それを最も明瞭に示しているのがサービス価格です。サービス全体は「+2.7%」ですが、その内訳は、
-家賃:+1.3%
-公共サービス:+1.5%
-個人サービス:+3.5%
――です。
さらに個人サービスを分解すると、
-外食:+2.5%
-外食以外:+4.3%
――となります。個人サービスだけでCPIを1.21ポイント、外食以外の個人サービスだけでも0.84ポイント押し上げています。
具体的に目立つのは、
海外パック旅行代:+19.3%
(旅行会社の海外ツアー料金)
保険サービス料:+13.4%
(保険会社が提供する保険サービスの価格部分)
マンション管理費:+2.8%
(集合住宅の管理・維持に払う費用)
――などです。
実は、外食以外のサービスはCPIのウエイトが195.3/1,000 = 19.53%。つまり韓国の消費者物価のほぼ5分の1を占めています。
そこが前年比「+4.3%」で、CPI全体を+0.84ポイント押し上げているのです。
韓国メディアでは「原油価格が上がったので、CPIが3.0%前後で高止まり」と報じていますが、これだけでは説明が不足しています。
なぜなら、上記のとおり、石油類が押し上げているCPIは「0.56ポイント」です。実は外食以外のサービスがCPIを押し上げている数字の方が大きいのです。
外食以外のサービスだけで09月のCPI上昇2.88ポイントの約29%を説明できます。
韓国の現在のインフレは、原油・為替という輸入インフレに、個人サービスを中心とする国内インフレが重なっている――と見られるわけです。
まとめれば、どん底景気が続いているのに、生活のさまざまな場面で「人に何かしてもらう料金」が上昇しているわけです。
(吉田ハンチング@dcp)







