2024年も韓国では「最低賃金」交渉の季節になりました。
2024年03月29日、韓国の雇用労働部は『最低賃金委員会』に「2025年度 最低賃金審議」を要請しました。
↑最低賃金委員会での一コマ。経営者側と労働者側が対立し、たいていこのような光景が見られます。
韓国の「最低賃金を決める」仕組み
韓国では、最低賃金は『最低賃金委員会』で決定されます。
現在まで続く「最低賃金委員会」は1987年に設立されました(最低賃金法第12条(最低賃金委員会の設置)による/前身は「最低賃金審議委員会」)。
この委員会は、
・使用者(経営者)側の委員:9人
・労働者側の委員:9人
・公益委員:9人
・特別委員:3人
(企画財政部・雇用労働部・中小ベンチャー企業部の局長級公務員)
計:30人
で構成されています。
ただし、政府側の特別委員には議決権がありません。多数決を取る場合には、特別委員を除く27人の投票で決します。
審議要請を受けた日から90日後の06月末まで2024年度最低賃金を議決し、08月05日までに雇用労働部長官に提出しなければなりません。
雇用部は異議申し立て手続きを経た後、最終決定して告示することになります。
文在寅政権が無茶に最低賃金を上げて雇用喪失した
そもそも文在寅が悪いのですが、この人は「最低賃金を1万ウォンに上げる」という公約を掲げて大統領に当選しました。大統領になった後は、「所得主導経済」という妄想を信じて最低賃金の押し上げました。
結果は――無惨なもので、雇用が減少したのです。大企業はともかく、中小企業、小商工人は上昇した最低賃金で人を雇い続けることができなくなりました。「それで人を雇えないような企業や自営業など潰れてしまえ」という人もいらっしゃいますが、実際に仕事を失った人にとっては大災難です。
2014~2024年の韓国の最低賃金の推移を見ると以下のようになります。
文在寅さんが大統領に就任したのは2017年。翌2018年には一気に「16.4%」も上がりました。しかし、その後は世論や識者からの大ブーイングを受けて上げ幅は尻つぼみになりました。
結局、韓国の最低賃金は1万ウォンには到達していません。つまり、文在寅大統領は公約を果たすとができませんでした。
今回「1万ウォン」となれば「1.4%」アップとなります。
物価上昇分を考えると上がりそうでもあり、もし達成されると文在寅さんの公約は尹錫悦(ユン・ソギョル)政権で達成されたことになります。
(吉田ハンチング@dcp)