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韓国労組「最低賃金1万2,210ウォンにせよ」26.9%アップの要求

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毎年恒例の韓国「最低賃金委員会」。すったもんだの季節が来ています。

2024年度の最低賃金を決定する会議です。

労組からの「あの委員を外せ」要求によって第1回会議が流れるというアクシデントがありましたが、〆切の迫る中、第1回目の労働者側の金額提示にまでこぎつけています。

2023年06月22日、労働者側が要求した金額はなんと「1万2,210ウォン」です。

2023年06月22日のレートでは、日本円にして「1,338.50円」です。さる06月13日、岸田文雄首相が「(全国平均で)最低賃金を1,000円にしていただきたい」と述べましたが、それをはるかに上回る水準です。

また、先に発表していた暫定要求案「1万2,000ウォン」よりも上がりました。

2014年から、2024年度の要求金額までの推移を見ると以下のようになります。


↑青い棒グラフが最低賃金の金額(単位:ウォン)で左軸。オレンジの折れ線グラフは対前年の増加率で右軸。

もし達成されたらそれこそ無茶苦茶ですが、この「1万2,210ウォン」はどうやって計算されたものでしょうか?

来年度の適正生計費を月額「443万6,000ウォン」とし、これを平均世帯所得者数「1.424人」で分り、時間当たりの最低賃金を計算した後、労働所得充足率84.4%を満たす金額「1万2,208ウォン」を基に算出した――と説明しています。

なぜ2ウォン足しているのかは分かりませんが、計算根拠は一応示しています。

しかし、これは経営者側からすればとうてい飲めない数字です。人件費が来年から「26.9%」も上がれば、小規模な事業主はとてももたないでしょう。従業員を切らざるを得なくなる事業者が続出し、雇用不安さえ起こる可能性があります。

ただでさえ景気がよくなというのに、無茶苦茶な要求です。

経営者側からは「業種によって最低賃金を変更するといった柔軟性をもたせるべき」という提案が出ているのですが、労働者側は頑として反対しています。

傍から見ている日本人としては「面白いからやってみればいい」なのですが、韓国の皆さんは面白いでは済みません。

2024年度の韓国の最低賃金がどうなるのか、にご注目ください。

韓国の「最低賃金を決める」仕組み

韓国では、最低賃金は『最低賃金委員会』で決定されます。この委員会は、

・使用者(経営者)側の委員:9人
・労働者側の委員:9人
・公益委員:9人
・特別委員:3人
(企画財政部・雇用労働部・中小ベンチャー企業部の局長級公務員)
計:30人

で構成されています。

ただし、政府側の特別委員には議決権がありません。多数決を取る場合には、特別委員を除く27人の投票で決します。

審議要請を​​受けた日から90日後の06月末まで2024年度最低賃金を議決し、雇用労働部長官に提出しなければなりません。

雇用部は異議申し立て手続きを経た後、08月05日までに最終決定して告示することになります。

(吉田ハンチング@dcp)

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