おススメ記事

「合衆国憲法修正第25条」とは? 大統領を罷免する方法がある

広告

中間選挙直前となり、これまで隠居生活を送っていたオバマ前大統領は公の場でトランプ政権と共和党を批判しました。さる09月05日には、匿名の政府高官がニューヨーク・タイムズ紙に「トランプ大統領の罷免につながる措置を取る可能性がささやかれた」と話したという報道が出て、波紋を広げました。

トランプ大統領自身も「クーデターだ!」と激怒するに至ったのですが、日本人にとっては今ひとつピンとこない話ではないでしょうか?

実は、アメリカには現役大統領の職権が停止する際の条件を定めた「合衆国憲法修正第25条」という条項があって、これをクリアすればトランプ大統領を事実上罷免できる可能性があるのです。

■「合衆国憲法修正第25条」は4節から成る!

「Twenty-fifth Amendment to the United States Constitution」あるいは「Amendment XXV」の日本語訳が「合衆国憲法修正第25条」です。これは、そもそも合衆国大統領がその職務を遂行できない際にどうするか、を定めたもの。以下の4節から成っています。

第1節:大統領が免職、死亡、辞職した場合の規定
⇒副大統領が代行

第2節:副大統領が空席の場合の規定
⇒大統領が副大統領候補を指名。上下院の過半数の承認を得て副大統領になる。

第3節:大統領自身が「オレもう無理」となった際の規定
⇒上院の臨時議長および下院議長に申し立て文書を送付

⇒副大統領が代行
(大統領が「オレ大丈夫になった!」という申し立て文書を上院の臨時議長および下院議長に送付するまで)

第4節:「大統領は職務を遂行できない」と判断された場合の規定

⇒副大統領および行政各部の長官の過半数、または連邦議会が法律で定める機関の長の過半数が、上院の臨時議長および下院議長に「この大統領は大統領の権限と義務を遂行できない!」という申し立てを行う。

⇒副大統領が代行

⇒申し立てが行われても、大統領が「そんなことはない! 大統領の権限と義務を遂行できる」という申し立て文書を上院の臨時議長および下院議長に送付したら、復帰可能

ただし、副大統領および行政各部の長官の過半数、または連邦議会が法律で定める他の機関の長の過半数が、上院の臨時議長および下院議長に対し「大統領がその職務上の権限と義務の遂行ができない」という申し立て文書を「4日以内」に送付した場合は、復帰不可
(以下の手続き略:詳細は以下のURLを参照)

⇒引用元:『www.law.cornell.edu』「TWENTY-FIFTH AMENDMENT PRESIDENTIAL VACANCY, DISABILITY, AND INABILITY」
https://www.law.cornell.edu/anncon/html/amdt25_user.html#amdt25_hd1

というわけで、第4節を利用すれば「大統領にふさわしくないと思われる人物から大統領の権限を取り上げること」ができるのです。政権内部にこのような動きがもしあったとすれば、まさにクーデーターでしょう。ニューヨーク・タイムズ紙の報道の後、マイク・ペンス(Michael Richard Pence)副大統領など政府高官はメディアに対して「そんなことはないよ」という態度を示しています。

何かちょっと怪しいですね(笑)

(柏ケミカル@dcp)