中国「病院が次々と破産する」医者にも給料が支払われない「世も末」

広告
おススメ記事

確かに日本でも医療法人、病院が破綻することはありますが、中国の場合はスケールが違います。

医療スタッフの皆さんに数カ月間「給与不払い」を行った揚げ句に終了――といったことが起こります。しかも一箇所やニ箇所ではありません。

2024年01月には『南京華世佳宝婦産医院』『杭州九和医院』が破算申請。03月には『石家庄聖禄嘉婦産専科医院』が破算申請、08月には『懐遠荊塗病院(旧・懐遠県第二人民病院)』が破産申請……などなど挙げればキリがありません。

2024年10月22日、広東省梅州市『嘉応学院医学院付属病院』が突如スタッフを招集して「おしまい」を宣言しました。

通知:
本日午前に上級部門の指示を受け、午後の市政府の常務会議で承認された後、明日から病院のすべての業務が停止します(市の職員健康診断業務を除く)。

皆さん、ご理解のほどよろしくお願いします!

付属病院
2024年10月22日

上掲がネットで見つかる病院からの通知――というもので、「理解してください」などと書かれています。

同病院は診療を停止し、従業員への給与が数か月間未払い(報道によっては10カ月)の状態であった――と報道が出ました。病院は破産申請を検討しています。

この病院は、約1.2万平方メートルの敷地に総面積約3.1万平方メートルも建物を有し、400床もある大きな病院です。2023年07月時点で、職員数は約240人。

驚くなかれ、この病院は一応「公立病院」(公立二級病院)なのです。なぜ公立病院でスタッフの皆さんに給料が出ない――などということが起こるのでしょうか。

これは、どのように公立病院が維持されているのかによります。ただし、必要な金額が全て公的機関(地方政府含む)から出るわけではありません。

1.医療保険基金
2.患者の医療費負担
3.政府の財政補助

という3つの収入があり、これによって維持されます。

中国でも医療保険制度が整備されたことで、公立病院の収入の50%以上が医療保険基金に依存している――とされます。

中国メディアの記者の調査によれば――この『嘉応学院医学院付属病院』の財務状況において、総収入が激減している――ことが分かりました。

2023年度の総収入は「6,155.63万元」ですが、これは対前年比で「1,127.9万元」も減少しているのです。

減収の主な理由は、医療保険基金の支払いおよび患者の自己負担の減少にある――とのこと。

はっきりいえば、地方政府も維持するためのお金の給付ができなくなっているのです。お医者さんや看護師さんにも給与が支払えないという、もう世も末状態です。

共産主義の世界で「公立病院が破産して診療が行えなくなる」――って恥ずかしくないのでしょうか。

(吉田ハンチング@dcp)

広告
タイトルとURLをコピーしました