2024年10月10日、韓国の企画財政部が「月刊財政10月号」を発刊しています。
2024年08月末時点での韓国政府(中央政府のみ)の財政データですが、きつさが増すばかりです。
まず全般状況ですが、以下です。
08月単月だけ見ても仕方がないので、01~08月累計で見ると――。
2024年01~08月累計
総収入:396.7兆ウォン
総支出:447.0兆ウォン統合財政収支:-50.4兆ウォン
管理財政収支:-84.2兆ウォン
単純に総収入から総支出を引いた「統合財政収支」は「50.4兆ウォンの赤字」です。
対前年同期比で赤字額は「19.0兆ウォン」多く、2024年の予算(通期1年通しでの予定赤字額)「-44.4兆ウォン」を、08月末時点ですでに超えています。
予算を4.6兆ウォン下にくぐっています。
社会保障の年金基金などの収支も足し込んだ「管理財政収支」の方は、「-84.2兆ウォン」の赤字。
本来、政府財政を見るときには(国際間で比べるなど)、この管理財政収支を見なければなりませんが、こちらは「2024年予算:-91.6兆ウォン」をまだ超えていません。
だからといって別に誇れるわけではなく、08月末時点だというのに、あと「7.4兆ウォン」しか余裕がないのです。
もう何度だっていいますが、韓国政府の財政は火の車です。
収入が減って支出が増加した当然の帰結!
なぜこんなことになるかというと、まず以下です。
上掲のとおり、国税収入が01~08月累計で、対前年同期比「-9.4兆ウォン」と大きくショートしています。
次に以下です。
支出が増加しています。対前年同期比の増減で計算します。
一般会計(+5.3兆ウォン)と特別会計(+10.6兆ウォン)で合わせて15.9兆ウォンの支出増。これに加えて基金の支出増が「+5.8兆ウォン」。
ですから総支出が01~08月累計で「21.3兆ウォン」。
総収入:国税収入「-9.4兆ウォン」 + 基金収入「+10.4兆ウォン」 = +1.0兆ウォン
総支出:+21.3兆ウォン
となりますから、総収入と総支出の差し引きは、支出過多で対前年同期比約20.3兆ウォン。
他に小さな収入・支出がありますので、それを足し込むと――対前年同期比で赤字額増減は上掲の「19.0兆ウォン」にまとまるというわけです。
収入が減少して、支出が増加しているわけですから、財政が火の車になっても当然です。
国債発行し過ぎで政府負債「1,056兆ウォン」
足らないお金はなんとかして調達しないと、政府活動が止まります。
そのため、国債発行額も増加しています。こちらは09月分までのデータが出ており、以下のようになっています。
08月の「1,074.6兆ウォン」よりは減りましたが、09月末時点で国債発行残高は「1,056.0兆ウォン」です。
2023年末時点では「998.0兆ウォン」でしたから、8カ月で58兆ウォン政府負債を積んだわけです。
また、見逃せないのは外国人投資家の国債保有比率が上がっていることです。
09月末時点で「22.6%」。かつては20%を切っていたのですが、だんだん韓国政府の資金調達は外国人投資家の懐をよりアテにするようになってきました。
じわじわと……ですが、これは気になる傾向です。
――というわけで、2024年も終わりが見えてきましたが、韓国政府の財政状況はちっとも良くなりません。政府が負債を積み上げる方向で進んでいるのです。
(吉田ハンチング@dcp)