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韓国・尹(ユン)大統領になった方が日本は与しやすい。尹さんは無事で済むだろうか

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韓国の次期大統領選挙の本選「2022年03月09日」まで5カ月余りとなりました。

政府与党『共に民主党』は李在明(イ・ジェミョン)さん、最大野党『国民の力』は尹錫悦(ユン・ソギョル)さんが統一大統領候補に選ばれ、事実上この二人の一騎打ちになると見られています。

李先生は「尹さんが8割方勝利する」と予測

例えば、李相哲先生は8割方は尹錫悦(ユン・ソギョル)さんの勝利と予測されていますが、本当にそうなれば、韓国に保守よりの政権が誕生することになります。

日本にとっては、李在明(イ・ジェミョン)さんよりも尹錫悦(ユン・ソギョル)さんの方が与(くみ)しやすいのは確かです。

なぜなら、尹錫悦(ユン・ソギョル)さんは「自由民主主義」を重視すると述べており、アメリカ合衆国との関係の修復に動くだろうからです(程度次第ですが合衆国への接近は必然的に中国からのデカップリングを進めることになります)。

文政権の場合には「自由」がない「民主主義」なので、それよりはまだはるかに自由主義陣営寄りです。

また、尹さんは先に「日本との問題は全て一つのテーブルに載せて話し合う」と述べています。ツートラック外交の否定です。これは、経済と政治の問題を別にして話し合うことはできない――という日本の立場と合致します。

政治問題を置いておいて経済協力などあり得ないというのが日本の立場ですから、同じテーブルに載せて話し合うというは日本の思うツボといえます。

仮に日本のある政治家が韓国のツートラックに同意するような発言をすれば、その政治家は国民から非難され政治生命も危うくなるのでしょう。

なにせ、事態は「韓国は日韓基本条約を順守するつもりがあるのか」というところまで追い込まれており、ボールは韓国側にあるのです。

さらに、尹さんは「韓国の法治を取り戻す」と述べています。日本からすればこここそ突くべきポイントです。

「あなた(尹大統領)は日韓基本条約を守る気があるのか。あなたは法治を守ると言って大統領になったではないか」と。

また「あなたは検察総長を務めた人ではないか。国際法を順守しない国が法治国家として世界で認められると考えるのか?」と問うことができるでしょう。尹大統領がどのように答えるのか見物です。

懸念されるのは左派の逆襲と批判

尹大統領の誕生は、第2期盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権といわれ、左に寄せ過ぎた文政権よりも、韓国の政治状況を少なくとも中道方向に揺り戻すことになります。

しかし、尹大統領は、文在寅政権のおかげで拡大した左派政党・議員と左派団体、左派マスコミなどから総攻撃を受けることになるでしょう。朴槿恵(パク・クネ)大統領を引きずり下ろした力が尹政権に襲いかかることは想像に難くありません。筆者は尹さんの身の危険すらあり得ると考えます。

また、法律家としては日本の主張の方が正しいと理解できても、韓国の反日的な土壌ゆえに日本の言うことを聞けない(そして実行に移せない)可能性があります。韓国で往々にして起こる「親日派」のレッテル貼りと何も考えていない批判が尹大統領を見舞うでしょう。

尹大統領(および尹政権)がこれに耐えきれない場合、韓国内の支持を得るために反日に走る可能性があります。外圧を利用して国内の結束を固める、よくある話です。

――くれぐれも注意したいのは、尹大統領が誕生しても、その方が日本に取って与しやすいだけであって、決して親日政権になるわけではない、という点です。日本は、たとえ尹政権が誕生したとしてもそれで韓国が変わると早合点しないことです。

(柏ケミカル@dcp)

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