2021年11月04日、日本の『トヨタ自動車』が第2四半期までの業績を公表しました。
これについて韓国メディア『朝鮮日報』に「トヨタ半導体不足にも最大純利益…秘訣は」というタイトルの記事がでました。確かに『トヨタ自動車』の直近四半期の業績は、昨年のコロナ期よりも大きく復活しました。
まず『朝鮮日報』の記事から一部を引用します。
『トヨタ自動車』は、04日午後、前四半期の実績発表で史上最大の純利益を出したと公表した。
『トヨタ自動車』、は前年同期比33%増加した6,266億円の純利益を出し、営業利益は48%増加した7,499億円に達したと明らかにした。
『フォルクスワーゲン』や『GM』が前四半期に営業利益が減少したのと対照的だ。
⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「トヨタ半導体不足にも史上最大純利益…秘訣は」
この記事が述べている業績は以下になります。
『トヨタ自動車』のプレゼンペーパーから以下に引用します。
⇒参照・引用元:『トヨタ自動車』公式サイト「決算報告 第2四半期決算情報」
『朝鮮日報』の記事では、2021年07~09月の四半期分の業績だけ取り上げて大きく回復したと述べていますが、実は04~09月上半期(6カ月)で見るともっとスゴいのです。
以下です。
2021年04月01日~09月30日
総売上:15兆4,812億9,900万円
(対前年同期比:36.1%増加)営業利益:1兆7,474億6,500万円
(対前年同期比:236.1%増加)当期純利益:1兆5,244億8,400万円
(対前年同期比:142.2%増加)⇒参照・引用元:『トヨタ自動車』公式サイト「決算報告 第2四半期決算情報」
対前年同期比で営業利益が3.37倍、当期純利益は2.42倍という驚愕の回復です。
以下をご覧ください。
⇒参照・引用元:『トヨタ自動車』公式サイト「決算報告 第2四半期決算情報」
営業利益は5%超えれば優秀な企業だと思いますが、上掲のとおり2021年04~09月、営業利益率が「11.3%」に達しています。
前年同期「4.6%」だったので、利益率は2.46倍になったことになります。
なぜ『現代自動車』と比較しない?
『朝鮮日報』の記事では、『フォルクスワーゲン』『GM』が利益を減らしたのと対照的な結果だとしています。しかし、本来であれば、韓国の自動車企業と比較したかったのではないでしょうか。
なぜ韓国企業と比較しないのでしょうか。それは『トヨタ自動車』の優秀さが際立つからです。
論より証拠。本年同期、すなわち2021年07~09月、韓国最大手自動車企業『現代自動車』の業績を見てみましょう。以下です。
『現代自動車』2021年第3四半期
総売上:28兆8,672億ウォン(約2兆7,712億円)
営業利益:1兆6,067億ウォン(約1,542億円)
当期純利益:1兆4,869億ウォン(約1,427億円)⇒データ引用元:『韓国金融監督院DART』公式サイト
2021年07~09月で『トヨタ』と『現代自動車』を比較して見ると以下のようになります(分かりやすいよう円で比較します)。
『現代自動車』 | 『トヨタ自動車』 | 『トヨタ』/『現代』 | |
総売上 | 2兆7,712億円 | 7兆5,457億円 | 2.7倍 |
営業利益 | 1,542億円 | 7,499億円 | 4.9倍 |
営業利益率 | 5.39% | 9.94% | 1.8倍 |
当期純利益 | 1,427億円 | 6,266億円 | 4.4倍 |
一番右の列は、『トヨタ自動車』が『現代自動車』の何倍かを計算したものです。
売上は「2.7倍」なのに、営業利益はなんと「4.9倍」です。営業利益率が「1.8倍」であることが示しているとおり、『トヨタ自動車』は『現代自動車』のほぼ2倍、効率良く利益を出すのです。
これでは『朝鮮日報』が『トヨタ自動車』と比較したがらないのも無理はありません。
今回の業績について『トヨタ自動車』は「いささか出来すぎた面がある」と説明しています。しかし、普段からのたゆまぬ努力がなければ「僥倖」や「幸運」には恵まれはしません。
幸運の星をこの手につかむためには手を伸ばさなければならないのです。
『トヨタ』恐るべし。
(柏ケミカル@dcp)