「イスラエル + アメリカ合衆国 vs イラン」戦争が続き、中東情勢がまったく不透明で「どうすんだコレ」状態です。
韓国のエネルギー逼迫が解決されるのか――が見ものです。
姜勳植(カン·フンシク)大統領秘書室長が急きょ、
カザフスタン
オマーン
サウジアラビア
カタール
――の4カ国を駆け回り(2026年04月07~14日)、2026年末までに原油2億7,300万バレル、ナフサ最大210万トンを追加で確保した――としました。
姜勳植(カン·フンシク)さんの弁によれば、この追加確保した量は、
原油2億7,300万バレル:3カ月以上使用できる量
ナフサ210万トン:約1カ月分の輸入量
――とのこと。
2026年04月15日の大統領府の記者ブリーフィングのプレスリリースが以下です。長い文章ですが、中身が面白いので以下に全文和訳します。
非常経済対応および戦略経済協力特使訪問の成果に関する姜勳植(カン·フンシク)秘書室長ブリーフィング
2026年04月15日中東戦争が発生してから47日目、すでに1カ月半以上が経過しました。
先週08日から不安定な停戦が維持されていますが、アメリカ合衆国とイランの第1次協議では合意に至らず、イスラエルとヒズボラの間の攻防も続くなど、中東地域を取り巻く不確実性は依然として解消されていません。
青瓦台は先週日曜日、現状を冷静に評価し、非常対応体制を維持することを決定しました。
品目別の買い占め・売り惜しみ禁止や緊急需給安定措置など、市場秩序維持対策も必要に応じて適時に推進される予定です。
公共機関の車両の2部制、公営駐車場の5部制、民間の自主的5部制などのエネルギー節約対策も当分の間、継続して実施されます。
中東戦争がもたらしたわが国経済の非常事態を克服するために、何よりも急務な課題は、原油やナフサなどの核心品目の確保です。
我が国経済は、昨年基準でホルムズ海峡を通じた導入依存度が、原油は61%、ナフサは54%に達するほど非常に高く、エネルギー危機、すなわち非常経済状況が続く中でも、中東情勢の解決をただ待つだけではいられませんでした。
私は戦略経済協力大統領特使として、先週07日から昨日まで、中央アジアの資源大国カザフスタン、中東地域の主要エネルギー供給国であるオマーン、サウジアラビア、カタールの計4カ国を訪問し、原油およびナフサ確保の方策を協議しました。
青瓦台、産業通商部、外交部、石油公社などの政府および公共機関はもちろん、実際に石油とナフサを導入する企業もともに交渉戦略を策定し、成果創出のための役割を分担しました。
李在明(イ・ジェミョン)大統領は各国に伝達した親書の中で、中東戦争の長期化に対する深い懸念と、わが国民の心からの慰めと連帯の気持ちを伝えるとともに、エネルギー安全保障の危機を共同の知恵で克服していこうとの意思を伝えました。
大統領の指示に従い、改めて4カ国を訪問した結果、今年末までに原油2億7,300万バレルの導入を確定したことを国民の皆様にご報告いたします。
ナフサも年末までに最大210万トンを追加確保しました。
原油2億7,300万バレルは、昨年基準、すなわち特別な非常措置がなく経済が正常に運営される状況においても、3カ月以上使用できる量です。
ナフサ210万トンは、昨年基準で約1カ月分の輸入量に相当します。
特に、今回確保した原油とナフサは、ホルムズ海峡封鎖とは無関係な「代替供給線」から導入される予定であるため、国内需給の安定化に直接的かつ実質的に寄与すると考えています。
1.カザフスタン訪問の成果
カザフスタンは世界第12位の原油生産国であり、ホルムズ海峡封鎖とは無関係な経路で輸出されるため、原油輸入先の多様化という点で重要な国です。カシム=ジョマルト・トカエフ大統領を直接表敬訪問し、両国間のエネルギー協力強化の意思を込めたイ・ジェミョン大統領の親書を伝達しました。
カザフスタン政府高官は、中東戦争以降、多くの国が特使を派遣しているが、大統領が面会を受諾した国はこれまで韓国のみであると述べました。両国政府間の協議を通じ、原油1,800万バレルを確保しました。
さらに、両国間の高位級直接コミュニケーション・チャンネルを新たに構築しました。トカエフ大統領は、ヌルトレウ大統領国際投資・貿易協力補佐官を韓国との戦略的経済協力を総括する専任担当者として指定しました。
2.オマーン訪問の成果
ホルムズ海峡をめぐる緊張が高まる中、インド洋に面し、海峡封鎖の直接的影響圏から外れているオマーンの戦略的地位に世界各国の関心が集まっています。特使団は、オマーン王位継承順位第1位であるハイサム国王の長男、ディヤジン・ビン・ハイサム・アル=サイード経済副首相と面談しました。
わが国は、ホルムズ海峡内側に停泊中の我が国籍船26隻が安全に通過できるよう、オマーン政府の特別な関心と支援を要請しました。
ディヤジン副首相は、わが国民と船舶の安全のために積極的に協力する意向を表明しました。
また、エネルギー鉱物資源部長官、投資庁議長らとの面談を通じ、年末までに原油約500万バレル、ナフサ最大160万トンを供給するとの約束を得ました。
3.サウジアラビア訪問の成果
サウジアラビアはわが国にとって不動の第1位の原油輸入国です。これまで総輸入量の3分の1に相当する年間3億バレル以上を輸入してきました。サウジアラビアにとっても、韓国は第2位の原油輸出先です。
特使団は、ファイサル・ビン・ファルハン外相および、世界の石油市場に強い影響力を持つアブドゥルアジーズ・ビン・サルマン・エネルギー相と面談し、さらにアル・ルマイヤン・アラムコ会長兼サウジ国富ファンド総裁とも会談しました。
サウジ側は、韓国が原油とナフサの不足で困難を経験しないよう、最優先で供給することを約束しました。
具体的には、わが国企業に割り当てられていたが船積みが不確実だった約5,000万バレルの原油を、04~05月中に紅海に隣接する代替港を通じて確実に船積みすることを約束しました。
さらに、06月から年末までに合計2億バレルの原油を優先的に割り当て、船積みすることを約束しました。
ナフサについても、昨年の年間輸入量である50万トンの供給を要請し、サウジ側は最大限供給することを約束しました。
4.カタール訪問の成果
カタールは当初の訪問計画には含まれていませんでしたが、停戦合意のニュースを受け、現地で緊急に訪問を推進しました。タミーム・ビン・ハマド・アル=サーニー国王を表敬訪問し、イ・ジェミョン大統領の親書を伝達しました。
我が国側は、ホルムズ海峡が再び開放され次第、韓国とのLNG輸出契約が適時かつ支障なく履行されることを希望する旨を伝えました。
タミーム国王は「韓国との約束は必ず守る。韓国が最優先だ」と強調し、この信頼のメッセージを大統領に伝えるよう求めました。
さらに、両国はAI分野および産業全般における投資協力を拡大・具体化することで合意しました。
結び
今回の4カ国訪問を通じて確保した原油およびナフサの物量により、核心品目の需給が一層安定し、国民と企業が日常を維持するうえでの不便が軽減されることを期待しています。特にナフサについては、04月10日に国会で確定した補正予算において、企業の導入単価上昇分を支援する予算が含まれており、需給の不確実性が大きく緩和される見込みです。
また、サウジアラビアやオマーンなどの産油国と、ホルムズ海峡封鎖によるリスクを根本的に解消するための迂回パイプラインや海峡外の石油貯蔵施設の構築など、多様な協力方策についても踏み込んだ意見交換を行いました。
中東産油国は、わが国の石油貯蔵施設を活用する国際共同備蓄事業の拡大にも継続的な関心を示しています。
今回の補正予算により国内備蓄基地の拡充が予定されているため、今後、主要産油国との共同備蓄が拡大し、非常時における原油需給の安定性が確保されることが期待されます。
出国前にも申し上げたとおり、今回の訪問を通じて得られた成果が具体的な結実につながるよう、綿密に点検し支援してまいります。
政府を信頼し、ともに危機を乗り越えてくださっている国民の皆様に感謝申し上げるとともに、政府は危機対応の成果を通じて国民の参加と犠牲に報いるべく、より一層努力してまいります。ありがとうございました。
⇒参照・引用元:『韓国 大統領府』公式サイト「비상경제 대응 및 전략경제협력 특사 방문 성과 관련 강훈식 비서실장 브리핑」
非常に面白い内容です。
特に注目したいのは、カタールを訪問した際に国王からいわれたという「韓国との約束は必ず守る。韓国が最優先だ」との言葉です。
本当にそんなことを言ったのか?――が気になります。
韓国大統領からの大統領特使と面談したというカタール首長府(Amiri Diwan)の公式発表が以下です。短い文書なので全文和訳します。
カタール首長、韓国大統領からの親書を受領
カタール首長殿下シェイク・タミーム・ビン・ハマド・アル=サーニーは、大韓民国の李在明(イ・ジェミョン)大統領閣下からの親書を受領された。
この親書には、イランによるカタールおよび地域の複数の国々に対する攻撃を受けて、カタール国に対する同国の支持と連帯の意思が表明されていた。
また、現在の危機を終結させるための合意に至ることへの期待も示された。
この親書は、本日、アミーリ・ディーワンにおいて行われた首長殿下との会談の中で、大統領特使であり大統領秘書室長である姜勳植(カン·フンシク)閣下によって手渡された。
会談では、両国の友好関係、特にエネルギーおよび経済分野における協力について協議が行われるとともに、地域および国際情勢の最新の動向についても意見交換がなされた。
この会談には、アミーリ・ディーワン長官アブドゥッラー・ビン・モハンメド・アル=フライフィ閣下も出席した。
⇒参照・引用元:『カタール首長府』公式サイト「HH The Amir Receives Written Message from President of the Republic of Korea」
えらくアッサリした内容で、姜勳植(カン·フンシク)さんが言う「タミーム国王は「韓国との約束は必ず守る。韓国が最優先だ」と強調し、この信頼のメッセージを大統領に伝えるよう求めました」とずいぶん熱量に差があるように見えます。
念のために、『The Peninsula』を当たってみましたが上掲の『カタール首長府』と同じで特に会談内容には踏み込んでおらず、『Gulf Times』も似たりよったりで――、
Gulf Times
カタール首長殿下シェイク・タミーム・ビン・ハマド・アル=サーニーは、韓国のイ・ジェミョン大統領からの親書を受領した。この親書には、最近の地域情勢を受けてドーハに対する連帯の意思が表明されていた。李在明(イ・ジェミョン)大統領は、イランによるカタールおよびより広範な地域への攻撃の余波を受け、カタールに対する自国の支持を伝えた。
また、現在の危機を終結させるための交渉による解決に期待を示した。
この書簡は月曜日、ドーハのアミーリ・ディーワンにおいて行われた首長殿下との会談の中で、韓国大統領秘書室長姜勳植(カン·フンシク)によって手渡された。
会談では、カタールと韓国の二国間関係について協議が行われ、特にエネルギーおよび経済分野における協力に焦点が当てられた。
また、地域および国際情勢の最新の動向についても取り上げられた。
この会談には、アミーリ・ディーワン長官アブドゥッラー・ビン・モハンメド・アル=フライフィ閣下が出席した。
⇒参照・引用元:『Gulf Times』「HH the Amir receives South Korea message」
――全文はこれだけです。
リップサービスを真に受けたんじゃあるまいな……です。
ちなみに、サウジアラビア訪問の成果として、姜勳植(カン·フンシク)大統領秘書室長が述べた、
具体的には、わが国企業に割り当てられていたが船積みが不確実だった約5,000万バレルの原油を、04~05月中に紅海に隣接する代替港を通じて確実に船積みすることを約束しました。
さらに、06月から年末までに合計2億バレルの原油を優先的に割り当て、船積みすることを約束しました。
――も、サウジアラビア政府の公式プレスリリースでは確認できません。
(吉田ハンチング@dcp)








