韓国は貿易1本で食べている国なので、貿易黒字が出ないと国が傾きます。
Money1でもご紹介しているとおり、2021年12月から貿易黒字があやしくなってきています。通関ベースながら、12月、2022年01月。03月と赤字を記録(02月は黒字でした)。
韓国政府は「輸出の拡大が続いているので問題はない」という大本営発表を繰り返してきたのですが、輸出額が増えていようが貿易でのもうけが減っていることが問題なのです。
この「輸出が増えているので大丈夫」という物言いは、実は2008~2009年韓国通貨危機の直前の当時の報道にそっくりです。
2007年02月24日『東亜日報』は、「06年、経済協力開発機構(OECD)最上位圏の経済成長率達成、年間輸出額3,000億ドル突破、総合株価指数最高値更新」という記事を出しています。
この時(2006年通年の結果)の「年間輸出額3,000億ドル」は韓国にとって過去最高の記録でした。しかし、実は貿易のもうけを示す貿易収支(輸出 – 輸入)は2005年よりも減少していたのです。また、読者の皆さんもよくご存じのとおり、翌年には韓国通貨危機で国が傾いたわけです。
間もなく終わる文在寅政権下で、韓国にとって最も大事な「貿易のもうけ=貿易収支」がどのように推移したのかを見てみましょう。
以下をご覧ください(ただし通関ベースであることに注意してください)。
2017年には「952億ドル」あった貿易収支は上掲のとおり、右肩下がりで激減しています。
特にご注目いただきたいのは、コロナ禍から回復したぞ!と喧伝していた2021年が、2020年よりもむしろ減っていることです。2020年はコロナ禍のため消費が後退し、輸入が減ったので(輸入は海外から行う消費です)不況型黒字だったのです。ところが、消費が回復するとその黒字が減少しました。
2022年は資源価格の高騰を主因とする輸入金額の高騰によって04月20日時点まで赤字です。
あくまでも通関ベースの数字ですが、どこが大丈夫なのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)