トランプ大統領の場合「韓国の輸出は最大62兆減少し、実質GDPが最大0.69%減少する」

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2024年11月05日になりました。早くもアメリカ合衆国大統領選挙の投票日、当日です。

『共和党』代表候補のドナルド・トランプさんと、『民主党』のカマラ・ハリスさんの激突となりましたが、世界の運命をも左右する決戦ですので、世界中が決着を固唾を呑んで見守っています。

市場はすでにトランプさん再選を見越して動いている節がありますが、各国のシンクタンクは「トランプ大統領となった場合には……」という予測を数多く出しています。

韓国でも同じです。

なにせ、韓国にとって合衆国市場は中国市場と同じく最重要なもの。貿易に依存している韓国は、合衆国市場から締め出されるような大統領になってもらっては困るのです。

例えば、2024年10月31日、韓国のシンクタンク『KIEP』(Korea Institute for International Economic Policyの略:韓国国際経済政策研究院)は以下のようなリポートを出しています。

⇒参照・引用元:『KIEP』公式サイト「2024アメリカ大統領選挙:米国の通常政策の経済的影響分析」

このリポートのabstractで述べられている第1項目からもう悲観的です。以下に引用してみます。

見通し1: グローバル関税政策

トランプが当選し、グローバル関税政策を実施した場合、韓国の総輸出額は最大で448億ドル減少し、実質GDPは-0.67%から0.24%の範囲で変動すると推定される。

– 韓国が関税対象から除外された場合(可能性は低い)、韓国製品に対する代替需要の増加や第3国への輸出転換が進み、実質GDPが0.10%から0.24%増加する可能性もある。

– 一方、韓国に普遍的な関税が課された場合韓国の総輸出額は約222億~448億ドル減少し、代替需要への対応や輸出転換が円滑に進まない場合、実質GDPは約0.29%から0.67%まで減少する恐れがある。

– 合衆国のグローバル関税政策による対米輸出の減少は、中国、カナダ/メキシコ、EU、日本、韓国の順で影響が出る見込み。

韓国が関税賦課対象から外れた場合も書いているのが涙ぐましいところで、この場合には「実質GDPが0.10%から0.24%増加する可能性もある」のですが、自身で指摘しているとおり、このケースになる可能性は「低い」のです。

ですので、トランプさんが再選されて、グローバル関税政策を実施した場合――韓国の総輸出額は最大448億ドル(61兆8,321億ウォン)減少し、実質GDPは最大0.69%減少する――という大打撃を受けると予測できます。

2024年11月05日の「1ドル=1,380.13ウォン」で換算しました。

韓国の(通関ベースの)輸出額は、2023年通期で「6,322億ドル」ですから、その約7.1%が吹き飛ぶことになるのです。

このリポートの中で白眉なのは以下のグラフです。

合衆国市場における各国の輸出のシェア推移(2012~2023年)です。

上掲のとおり、オバマ大統領時代には、合衆国市場における中国の輸出産品のシェアは20%を超えていましたが、トランプ大統領になって関税を賦課して対立が深まり、シェアは下落しました。

次のバイデン政権は、トランプ大統領が始めた中国への関税賦課戦術を(トランプさんを批判ばかりしていたくせに)そのまま受け継ぎましたが、さらに半導体などについて規制をかけて、中国産品のシェアはさらに下落したことが分かります。

トランプさんが始めた中国との対立路線は、中国を合衆国市場から締め出すという効果が大いにあったことを示しています。

ご注目いただきたいのは、韓国もしぶとく恩恵を受けて、輸出シェアを伸ばしてきたことです。右肩が上がっていますね。

――で、これがトランプ大統領誕生でどうなるか――です。

非常に面白い分析が述べられているリポートですので、もしご興味があれば、上掲URLにアクセしてぜひオリジナルの文書に当たってください。ハリスさんが大統領になった場合には――なども分析されていますので。

総じていえば、ハリス大統領になった方が、韓国にとっては「まだしもセーフ!」という内容です。

さあ、次期大統領は誰になるでしょうか。

安倍さんがクズの手に掛かって亡くなってしまったことが、本当に悔やまれます。日本は偉大な宰相を永遠に失ってしまいました。

(吉田ハンチング@dcp)

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