韓国が経済的に危機的状況に陥っているので、韓国政府は会議ばかり開いています。しかし、いい案は出ません。
当然です。現在韓国が陥っている危機は輸出に依存して発展してきたという、その構造に起因するものだからです。すなわち、構造を変えない限りは基本的に解決できないのです。
どこかのアンポンタンな識者が指摘するように「バイオや二次電池などで超技術格差を実現すべき」などのおよそ非現実的なことがスグに実現できれば――可能かもしれません。
しかし、そんなことが急場でできるようなら誰も苦労しません。あるいは、日本やアメリカ合衆国、欧州などから先端技術をパクればできるかもしれませんが、韓国に先端技術を渡すような輩は、お人好しな日本ですら現在ではいないでしょう(いないはず)。
韓国は行き詰まっています。
2023年04月19日、韓国の産業通商資源部が面白い会議を開きました。「国内を代表する経済学者および国策研究機関と潜在成長率向上のための方案を議論」です。
潜在成長率というのは「労働力・資本・生産性を活用して、インフレ(物価上昇)を誘発することなく、最大限に達成できる経済成長率の見通し」のことをいいます。
韓国はこれが急速に低下しているのです。
「上げなければならない」という韓国政府の焦りは分かります。では、韓国における潜在成長率の要素がどんな状態か見てみましょう。
合計特殊出生率が「0.78」まで落ちて世界最初に消滅するといわれている状態
②資本
大して資本の蓄積があるわけではない。また、資本が海外に出ていく傾向が強い
(日本のようになるには時間が足りなかった/タイムアップです)
③生産性
韓国は決して生産性の高い国ではない。むしろ『GM』などが指摘するとおり、世界の工場の中では下から数えた方が早い
①~③の要素が全部駄目なわけで、これで潜在成長率が上がる方がおかしいです。
つまり八方塞がりです。
以下は、産業通商資源部がこの会議について出したプレスリリースです。
↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください。⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「」
エラい先生方が何を提案したのか、いちいちは挙げませんが、例えば『韓国開発研究院』のコ・ヨンソン副院長は、「生産性向上が経済成長の核心的な決定要因であることを説明し、生産性向上のためには各部門に属する利害集団が国益のために譲歩する姿勢を持つべきだと主張した」と述べています。
生産性向上こそが核心などと述べていますが、理由は簡単です。
上掲の①~③のうち、①労働力と②資本はもうどうしようもないからです。
「人口増やせ」などといっても増えませんし、お金がない(資本が少ない)のは事実なので、増やせといっても増えません。
韓国政府の方策でなんとかなりそう、変えられそうなのは③生産性だけです。だかそこコ副院長は生産性に注力しろといっています。
また、「生産性向上のためには各部門に属する利害集団が国益のために譲歩する姿勢を持つべき」という指摘は、はっきりいえば「労働組合は会社に協力しろ」の言い換えです。
韓国は会社自体が赤字であるにもかかわらず昇給とボーナスを要求するような労働組合を野放しにしてきました。普通の市場主義経済でもっている国としては異常なことです。
日本でもかつて労働争議が絶えない時期がありましたが、それは乗り越えました(乗り越え過ぎじゃないかという指摘もありますが)。
韓国はいまだにやっています。これを乗り越えない限り生産性など上がるわけはありません。他のエラい先生の指摘も、いちいちご紹介することもないほどで、些末な話に終始しています。
なぜならできることなど限られている(あるいは「ない」)からです。上掲①~③こそが根本であって、これが改善できなければ不可能です。
つまり、産業通商資源部の会議でロクなプランは出ませんでした。八方塞がりなので、潜在成長率を向上させる名案など出るわけがないのです。ちゃんちゃん。
とりあえず大暴れする労働組合を潰してみたらいかがでしょうか――そんな提案しかできません。
(吉田ハンチング@dcp)