韓国政府は「韓国の(通関ベース)貿易収支は09月に黒字化する」と予測し、09月までかからず達成されました。しかし、黒字化すればいいという話ではありません。
黒字の規模が問題です。国が成立するほどの黒字を出さなければなりません。コロナ前、具体的にいえば最も景気がよかった2017年の規模に戻るのか?です。
中国との貿易が赤字転落していますので非常に難しいといわざるを得ません。直近のデータでいえば、韓国の対中国輸出金額が輸出全体に占める割合は約2割です※。ここで貿易収支赤字の約4割を出すようになった(『韓国銀行』の分析による)ので事態は深刻です。
※産業通商資源部のデータによる。2023年06月の輸出総額「542.4億ドル」のうち対中国輸出は「105億ドル」のため約19.4%。
韓国は至急に中国の代替となる市場を見つけないといけないのです。そのため、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領自ら外遊しては営業に努めています。
韓国の輸出が回復するのかについて、韓国メディアでも不安があり、例えば『ソウル経済』には大変興味深い記事が出ています。
(前略)
しかし、不安が深まっている中国経済、夏のエネルギー需要の急増などを考慮すると、輸出がいつ本格的に回復するか不透明だという指摘が多い。このため、政府の今年下半期の産業政策の核心軸も「輸出競争力強化」に集中している状況だ。
産業通商資源部はこの日、下半期の主要産業政策の方向性を発表し、「輸出が早期にプラス転換できるように支援を集中する」と強調しました。
特に、各市場別に「戦略輸出品目」を選定することにした。
東南アジア諸国連合(ASEAN-アセアン)地域の場合は電気自動車、中東地域は液化天然ガス(LNG)運搬船というように、各有望市場に合った品目を選定し、政府が支援を惜しまないという意味だ。
ロボット・バイオなど有望業種別の輸出競争力強化戦略も下半期中に公開するという方針である。
政府は根本的な輸出体質改善のための「貿易構造大転換戦略」を策定するという構想も明らかにした。
主力輸出産業の超格差競争力確保が骨子ですが、具体的な内容は今年末に発表される予定です。
世宗官庁の関係者は「輸出活性化に関連し、使える手段を総動員している」と説明したが、「突破口がなかなか見つからないようだ」と述べた。
市場別に重点輸出品目を定め、市場攻略に乗り出すとのこと。
ご注目いただきたいのは「主力輸出産業の超格差競争力確保が骨子」です。
またできないことを言っています。関係者の弁としている「突破口がなかなか見つからないようだ」が本当のところでしょう。
韓国政府および韓国財界は、また日本から技術を剽窃しようと動いています。日本企業の皆さんはすり寄ってくる韓国政府と企業に警戒を怠らないようにしてください。
(吉田ハンチング@dcp)